使い慣れた表現の意外な意味に注意しましょう ―英語学習の勧めvol.48―

(2011年2月28日 17:52)

こんにちは。SOLの余語です。
外国語の学習に関する本を読んでいると、その言語のネイティブスピーカーと話している中で、表現や発音が自分の伝えたいことと合っているはずなのに、全く異なる意味で理解されてしまったという話がよく出てきます。帰国生や海外生の皆さんの中にもそのような体験をした人は多いと思いますが、今回は、現在進行形を使って意図しない意味が出る場面について説明したいと思います。

現在進行形(the present continuous)とは、文全体の述語となる動詞をbe動詞+doingの形で用いるもので、通常は以下で示す例文のように、現時点で実際に行われていることを意味する形です(前回の記事で述べたように、文法においては話し手の頭の中のイメージが重要ですので、現時点で実際に行っていないことでも、「~している最中なんだ」ということを伝えたい場合には、現在進行形を使うことがあります)。

I am studying German grammar because I have an examination tomorrow.
I am learning how to speak English this term.

また、現在より後の未来に行うことでも、それを行うことが話し手の頭の中で確定となっていたり、その準備(気持ちの面を含めて)に入っていたりする場合にも、be動詞+going to doという表現とともに、現在進行形を使います。

I'm taking my little brother to the zoo on Saturday.
We're holding the first meeting of the NPO we founded next Sunday.

このように、現時点で行っている(もしくは、そのような流れに入っている)ことを表すために現在進行形は用いられますが、これをalwaysやall the time、constantlyのように「いつでも」ということを表す言葉と一緒に使われると、上で説明したような意味に加えて、話し手の非難や軽蔑、迷惑といった気持ちが含まれることになります。

She is always complaining about something.

よって、上の例文は、「彼女がいつも何かについて文句を言っている」ことだけではなく、いつも文句ばかりを言っている彼女に対して、話し手が「困ったもんだ」と考えていることや「一緒にいたくない」という感情が含まれることになってしまいます。現実の世界でこのような表現を使うと、親密だった人間関係が一瞬のうちに険悪なものになってしまうといったことが考えられるでしょう。

今回説明したようなよく使う表現に、単語などを何気なく一つ付け加えることで、自分の意図していなかったことが伝わってしまうことがあります(日本語と同じですね)。このようなことは他にもありますので、このブログでも折にふれて確認したいと思います。

それでは、今回の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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