述語となる語が置かれる位置について ―英語学習の勧めvol.37―

(2011年2月4日 19:47)


こんにちは。SOLの余語です。
前回は、日本語で書かれた英文法のテキストの始めにあるSVやSVO、SVOCといった、文の構造に関する記号の羅列では、「1つの文には、主語と述語になる語が1つずつしかない」という原則が示されているという話をしましたが、含意されている重要な原則はこれだけではありません。

英語は、ドイツ語やスウェーデン語などとともに、Anglo-Saxon語系の言語だとされていますが、ドイツ語では文全体の述語となる動詞を置ける場所が決まっています(逆に、その他の役割の語はどの位置においても誤りとはなりません)。それを「定動詞第二位の原則」などと呼びますが、これは述語となる動詞が、名詞や文全体を修飾する語句を除くと、文の中で2番目に置かれるというルールです。

この原則はドイツ語と同じ語系にある英語でも見られるということを、SVやSVOといった記号は表しています。例えば、

However, forecasters have still to make themselves heard above this huge volume of statistical noise.

というように、「しかしながら」という意味のhoweverを文頭に置くような場合、howeverの次にカンマを置いて、その後の文と断ち切ることで、haveという述語になる語をforecastersに続く、文の中で2番目の位置に置こうとします。また、「定動詞第二位の原則」が英語に継受されていることは、以下の文でも見てとれます。

In place of graphite, the vast majority of the reactors in the US use pressurized water.

このように、英語の文章では一般的に、カンマなどを用いることなどによって、述語となる動詞を文の中で2番目という定位置に置こうとします。このルールに守ることは英語で文を書く時に重要なことですが、多くの帰国生や海外生は特に意識しなくても、この点に関して問題のない文を書くことができるようです。

それよりも、「定動詞第二位の原則」が問題となるのは、構造の複雑な英文を読む時です。先日、自習の時間に、生徒が英語の長文読解問題集をやっていましたが、その中に次のような文がありました。

So much do we take our need to tell stories for granted that such questions scarcely even occur to us.

この文では、so muchを強調するために文頭に置かれていますが、その後に文全体の述語となるtakeの代わりの語、doを置き、それに続いて主語weがあるという構造になっています。このような文の形を倒置と言いますが、「主語-述語」という通常の語順が崩れるのは、上で説明した原則があるからです。以下に、同様の例文をいくつか辞書から引用しておきますので、どの語が文全体の主語と述語を確認してみてください。

With such notoriety, however, come both admirers and abhorrers.
Cooking up a quick dish doesn't mean you have to sacrifice flavour. Nor does fast food have to be junk food.
There is just one female lieutenant - colonel in the army and no women in any of the four ranks above that post.
So keen was she on the area that she spent $500,000 and four years buying and renovating her own Alpine chalet.

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