現在完了形(the present perfect)の用法を確認しましょうvol.5 ―英語学習の勧めvol.54―

(2011年4月10日 13:56)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、vol.51から53で、日本語を第一言語とする人(前にも述べたとおり、帰国生や海外生でも、第一言語は日本語であるという人がほとんどです)にとって最も理解しづらい時制表現である現在完了形の用法には3つのものがあることを説明してきました。これらの記事を読むと、この時制表現には全く異なる用法があるように思う人がいるかもしれませんので、ここでそれらにはどのような共通点があるのかという観点から、現在完了形の用法の確認をしておきたいと思います。

現在完了形についての説明を授業でする時に、生徒の中には、この時制表現の用法は3つあると覚えておかなければならないのですかという質問をする人が必ず出てきます(そのような人は、「だから文法の勉強なんてしたくないんだよ」という表情を浮かべていることが多いです)。そのような質問に対して、これらの用法には共通点があるということを、僕らは伝えています。

それは、「過去に何かをしたり、ある状態にあったりしたことで現在、何らかの状態にある」という現在の状態を示すものだということです。これは「経験用法」と「完了用法」では理解しやすいことかもしれません。それぞれ、「過去に何かをしたことで、そのことをした経験が現在ある」、「過去に何かをしたことで、現在ある状態になっている」ということを表すものであるわけですから。

また、前回説明した「継続用法」についても、現在何かをしているということを示しているわけですし、それは過去からの流れで引き続き行っているわけです。つまり、「過去に何かをし始めたことで、現在もそれをし続けている」ということを表しているということになりますので、「経験用法」や「完了用法」と同様に、現在完了形という形をとるということになるのだと考えられます。

このように現在完了形の用法について考えると、過去の一つの時点や過去のある一定の期間を表す語句(例えば、yesterdayやlast month、from 1967 to 1999、in the 1980sといったもの)を、この時制表現の文の中においてはならないということも理解しやすくなると思います。現在の状態について述べようとしているのに、現在の時点を含まない表現が一緒に使われている文というのは、「私は今、1980年代に医者として働いていた」という文と同じように、錯乱した内容になるはずです。

最後に、現在完了形の文をいくつか辞書から引用しておきますので、今回の記事で説明した「現在完了形とは、過去の行動などで影響を受けた現在の状態を表すものである」ということを確認してみてください。

He has studied numerous cases of this syndrome.
The data have been checked with great thoroughness.
What countries have you visited during your trip?
The experience has left him with an empty heart.
He has attended sessions every four weeks for four months.


それでは、今回の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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