現在完了形(the present perfect)の用法を確認しましょうvol.8 ―英語学習の勧めvol.57―

(2011年4月21日 14:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、現在完了形の用法の注意点ということで、have doneという通常の形ではなく、be doneという形でも完了形の意味を示す動詞があるということを述べました。これは、TOEICやTOEFL ITPの文法問題で出題されることのある事柄ですが、今回もそのような現在完了形に関わる文法事項について引き続き説明したいと思います。

英文法のテキストなどで、現在完了形の用法についての解説を読んでいると、「彼はビザの期限が切れたため、最近オーストラリアから帰国した」という文は、以下の2通りの形で英訳できることがわかります。

He returned from Australia recently because his visa expired.
He has returned from Australia recently because his visa expired.


このように、「最近」という語を含む文を過去形、現在完了形のどちらでも訳すことができるのは、recentlyの表す時間帯に起きた出来事は、過去のある一時点のものとして理解することができるだけでなく、「現在」とほぼ同じとみなすことのできる過去の時間帯に起き、「現在」もその状態が引き続き存在していると捉えることも可能なものだからです。そして、recently以外にも、todayやjust、this morning/week/month/yearなどに対応する日本語を含む文を、以下のように2つの時制表現を使って英訳することができる場合があります。

I just read what the politician said yesterday in the morning newspaper.
I have just read what the politician said yesterday in the morning newspaper.


ただし、この文法上のルールには例外があります。上ではjustに対応する時間帯に起きた出来事は2つの時制表現を用いて書くことができると述べましたが、これと意味がほとんど変わらないと思われるjust nowという表現を使った場合には、過去形(「ついさっき」という意味になります)や現在形(「ちょうど今」という意味になります)を用いて文を書くことが正しいとされ、現在完了形で書くことは誤りということになるのです。

この点については、nowという語を入れたことで、justという語を単独で用いたり、recentlyのような特定の時点を指すわけではない言葉や表現を使ったりするより、何かが起きた時点が明確になっているという説明ができますが、TOEFL ITPと同様の形式を採る早稲田大学帰国生入試の英語試験でも出題されたことのある文法事項ですので、以下の例文や辞書などで確認してください。

There was a bolt of lightning just now.
What time did the clock in your room strike just now?
In U.S., basketball is very much in the air just now.


それでは、今回の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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