完了形の用法について再確認をしましょう ―英語学習の勧めvol.62―

(2011年5月11日 11:05)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、vol. 49からvol. 61まで完了形というカテゴリーに分類されるいくつかの時制表現の用法について説明してきました。その初めで述べたように、これらの時制表現は日本語ではそれほど意識されることのない時間帯に注目したもので、日本語を母語にする人にとっては理解が難しいものです。今回、完了形の説明の最終回として、その用法の再確認をしておきたいと思います。

完了形は、いずれのものも「ある一つの時点」が基準になっています。例えば、現在完了形で言えば「現在」という時点に意識が置かれていますし、過去完了形では「過去のある時点」が一つの区切りとして示されている場合が多くあります。そして、その時点までの時間帯で行われた事柄や状況などを表す語がその文の中心となっているのが一般的な形です。

このような完了形という時制表現では、「ある一つの時点」までに何かを行ったり、ある状況に直面したりした状態がその時点であるということを表すことができます。そして、それが、その時点で何らかの行為や状況を経験した状態ということであれば、完了形を「経験」を表すために用いていることになりますし、以前に何かが完了し、その結果が同じ時点で引き続きあるということに注目しているのであれば、「完了」を意味しているということになります。さらに、以前から何かを行ってきた流れで引き続きそれを行うのであれば、行為の「継続」を完了形で表すのです。

この点、完了形は過去に行った行為や直面した状況のみを表す表現と考える人がいますが、もしそうであるならば時制表現を精密な形で考える英語圏の人々が新たな時制表現を作り出すということはないでしょう。これは過去形とは異なる、以前に何かをしたり、ある状況下にいたりしたことが「現在」などの一つの時点であるということを示すものであることに注意して、以下の2つのセットの例文の意味の違いを確認するようにしてください。

(A)
I chose some books for you to read.
I have chosen some books for you to read.

(B)
The U. K. pond stayed firm against the U. S. dollar.
The U. K. pond has stayed firm against the U. S. dollar.


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