TOEFL iBT やTOEICのスコアで学習目標を設定しましょう ―英語学習の勧めvol.63―

(2011年5月12日 11:50)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、ここまで文型や完了法などの文法事項を確認してきましたが、新しい年度に入ったこともあり、日本の大学の入試に向けた学習計画を立てようとしている帰国生や海外生の人がいるはずです。今回は、大学受験の準備を開始するまでに取っておくべきTOEFL iBTや TOEICのスコアの目安を示しますので、学習目標を設定する際の参考にしてもらえればと思います。

近年、帰国生大学入試やAO入試においてTOEFL iBT やTOEICのスコアの提出を求めたり、一定以上のスコアがないと出願を認めなかったりする大学が増加していることは以前にも述べました。例えば、2012年度入試では、早稲田大学政治経済学部(AO入試)や慶應義塾大学文学部で、TOEFL iBTのスコアの提出が求められるようになりますが、それだけでなく、これらの試験の結果の最終的な合否判定に対する影響力が、以前から高かった東京大学や慶應義塾大学、ICUといった大学以外のところでも高まる傾向にあるようです。

この点については、昨年の明治大学法学部の帰国生入試が示唆的です。この入試では、出願条件として、IB Diplomaや一部の国の教育制度における大学入学資格を取得していることの他に、外国語の運用能力を示す試験で一定のスコアを得ていることが挙げられており、TOEFL iBTのスコアでは61点以上というのが、出願を認定される水準となっていました(2012年度入試については変更があるかもしれませんが、昨年の入試ではTOEICのスコアは受け付けていませんでした)。

SOLからも、難関大学の法学部への進学を以前から熱望していたS君がこの入試を受験しましたが、出願をした時点で、彼のTOEFL iBTのスコアは基準点をわずかに上回る61点しかありませんでした。そして、入試当日になり、試験会場に行ってみたところ、出願手続きの期日よりずいぶん前に書類を送っていたにもかかわらず、受験番号は最後から3つ目であることが判明し、さらに、面接試験の担当教授によるグループ分けでも、他のグループは一定数の人がいたのに対し、彼のグループは端数の人数で構成されていたそうです。

この話を聞いた時に、前島と僕はTOEFL iBTのスコアで受験番号が決まり、受験番号が下位の受験生は当初から合格可能性の薄い者として扱われているのはないかと思い、当日の様子を詳しく聞いたところ、僕らの推測を裏付けるようなことが次々と明らかになりました。また、彼は合格を勝ち取ることができませんでした(彼と同じグループだった人も同様に不合格だったようです)。このようなことを考えると、TOEFL iBTやTOEICで規定のスコアがある大学に出願する場合には、条件を満たせたということで満足するのはなく、できるだけ上積みをしておく必要があると言えるでしょう。

SOLでは、昨年の入試でTOEFL iBTで70点、TOEICで700点という基準のあった明治大学の国際日本学部や、英語試験の免除規定のある中央大学商学部を受験する予定の人には、TOEFL iBTなら80点、TOEICなら少なくとも800点を出願する時点までの目標とするべきと指導しています。このように、出願条件に一定の基準点がある大学を受験する場合には、10~15%の余裕があるスコアを目標に英語の学習を進めてください。

※ただし、本当に出願資格としてしかTOEFL、TOEICのスコアを利用せず、選考材料にしない大学―たとえば上智大学のいくつかの学部など―は別です。こうしたところは筆記試験の出来を非常に重視するわけですから、英語筆記試験があるならTOEFLスコアが基準ぎりぎりの人は結果的に苦しむことになります。例えば、上智大外国語学部英語学科の場合、TOEFL iBTでの基準点は68ですが、100点以上取れるような実力がないと合格は難しいです。

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