TOEFL iBT やTOEICを受験することの重要性について ―英語学習の勧めvol.67―

(2011年5月29日 16:15)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」のvol. 63では、TOEFL iBTやTOEICを帰国生入試の出願資格としている大学が増加傾向にあることを述べました。これは、日本の大学に入学することを考えている帰国生や海外生にとって、これらの試験を事前に受験しておくことの重要性が高まっていることを意味していますが、このように考えるのには他にも理由があります。

昨年、実施された明治大学文学部の帰国生特別入学試験が、その理由を示す良い具体例になると思います。この入試では、政治経済学部と共通の出願条件として、日本国籍や永住資格を有していること、保護者の転勤によって海外に滞在したことに加えて、通っている高校の属する教育制度における「大学入学統一試験」(各国で行われている大学入学資格取得のための試験がこれに該当します)を受験しているか、IB Diplomaや「当該国」(この言葉が後で問題になります)の大学入学資格を取得していることを受験者に求めていました。

その上で、文学部独自の条件として、海外に滞在した期間や卒業年度に関するものがあり、その他にTOEFL iBTやIELTS、その他の外国語運用能力試験を受験していることが規定されていましたが、最後の外国語運用能力試験の受験に関しては例外があるということも要項で述べられています。その例外とは、上のIB Diplomaや「当該国」の大学入学資格を取得しているという条件を満たしている場合には、この受験義務は免除されるというものでした。

この入試には、イギリスやオーストラリアで統一試験を受験し、それぞれの国の大学入学資格を取得した2人が、その証明書をその他の書類とともに提出する形で出願したのですが、ある日、大学の入試センターから電話がかかってきました。それは、不要なはずの外国語運用能力試験の成績証明書の提出を求めるもので、大学側によれば、このような試験の受験免除はIB Diplomaを取得した人に限られるとのことでした。

しかし、上に示した通り、要項には「当該国」の大学入学資格を取得している場合には、外国語運用能力試験の受験は必要ないはずです。2人の生徒も我々も、この点を大学側に主張し、彼らも入試要項の不備を認めましたが、入試要項を次の年に改めることを約束しただけで、結局、この2人はTOEFL iBTの成績証明書を提出することになったのです(たまたま受験していたのが幸いでした)。

※この種のトラブルは非常に多くあり、TOEFLとの関係からたまたま明治大を例に挙げましたが、明治大文学部の入試担当者の対応は非常に率直で誠実であったことを申し添えておきます。

帰国生大学入試は、各大学で出願条件などが異なり複雑であることはよく知られていることかと思いますが、その時々の担当者の文面の解釈の仕方によって、受験できるかどうかが左右されるということが起こりうる入試でもあります。これまでも、担当者が変更になったことで、出願条件が文面上、変わっていないにもかかわらず、実質的な要件は変化してしまった(そしてそれをこちらからの抗議で覆した)ということを、僕らは実際に経験してきました。

いろいろと考えて、志望大学を決めたのに、このような事情で受験が認められないというのは実につまらないことだと僕は思いますが、受験生の側で万全の準備をしておく必要があるとも言えるでしょう。入試の出願要項に、外国語運用能力試験の受験に関する規定がある場合には、その義務を免除される要件を満たしている場合でも、これらの試験を受験しておくようにしましょう。

それでは、今回の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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