TOEICのスコアアップのための学習法についてvol.3 ―英語学習の勧めvol.72―

(2011年6月12日 17:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、品詞に関する知識を確認することでTOEICの文法問題のスコアアップが期待できるということを説明しました。これは、文法問題のセクションでよく出題される問題のカテゴリーの1つですが、今回もそのようなカテゴリーを1つ紹介したいと思います。

今回、取り上げる問題は以下のような形のものです。下の解説を読む前に、どれが正解なのか考えてみてください。

He is now studying economics in a ( ) university in Japan.

A. distinguishing
B. distinguishable
C. distinguishes
D. distinguished


この問題は、distinguish(見分ける、区別する)という動詞を様々な形に変化させた時にどのような意味になるかということを確認するものですが、これは以前に説明した自動詞や他動詞の区別や、1つの文には基本的に主語や述語が1つしか入らないということが理解できていれば、正解を導き出すことができます。

選択肢のうち、誤りである可能性が最も高いのはC. のdistinguishesです。これは文の述語になる形になっていますが、この文にはis studyingという述語部がありますし、カッコの前にはwhichやthatなど、名詞の説明を行う文を導き出す語がありません。それに、aとuniversityの間にカッコがあるわけですから、ここに入る語は名詞を修飾する形容詞か、doingやdoneのように名詞を修飾できる形にした動詞でなければなりません。

残り3つの選択肢はいずれも上で述べた条件を満たしていますが、B. のdistinguishableは「区別できる、識別できる」という意味ですので、内容的に不適当ということになります。また、distinguishという語は他動詞(~をdistinguishする、という意味になる動詞)ですので、「~を」に当たる、動作の対象となる語が同じ場所にあるべきですが、この文にはそのような語は見当たりません。

よって、動作の対象となる語の必要のない受身の形になった(つまり、universityがdistinguishされる側―distinguishという動作の対象―である)D. のdistinguishedのみが残るわけですが、この語は「他から区別される」という受身的な意味から転じて「有名な、際立って優れた」という意味を持ちますので、内容的に問題がないということになります。このように、動詞の変化形のどれをカッコ内に入れるのが適当かというカテゴリーの問題でも、その動詞が自動詞か他動詞かということがわかっていれば、比較的容易に正解にたどり着くことができます。新しい単語に出会った時には、辞書で自動詞・他動詞の区別まで確認するようにしましょう(この点については、「英語学習の勧め」vol. 20で説明してありますので、そちらも参考にしてください)。

それでは、次回もTOEICの文法問題で頻出の問題について述べたいと思います。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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