仮定法(the subjunctive mood)の用法をしっかりと理解しましょう ―英語学習の勧めvol.74―

(2011年6月14日 12:40)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、英語を第二言語とする人にとって注意すべきものという観点から、これまで、いくつかの文法事項について説明をしてきました。それは、文の構造であったり、完了形という時制表現であったりしたわけですが、今回からは仮定法(the subjunctive mood)の用法について確認していきたいと思います。

この表現は、名前の通り、現実の出来事に反した仮定を語る際に用いられるものです。何かの出来事などについて仮定を語る場合に、日本語の世界では、それが現実に起きていることや起きたこととは異なることについて述べているのか(歴史のifものというのがこれに当たります)、それとも今後起こる可能性のあることについて述べているのかという点に注意を払うことはありません。そして、このような考え方に対応して、仮定については、「もし…だったら、~する(した)だろう」という表現のみで対応することになります。

一方で、英語の世界では、上で述べた2種類の仮定は異質のものとして扱われることになります。これは、時制表現についての解説で述べた出来事の時間的前後関係に関する細やかな意識や、事実とそうでないことを峻別すべきという考えを反映しているのだと思いますが、「A:もし、あの時、雨が降っていたら、あの公園には行かなかっただろう」という文と、「B::もし、明日雨が降ったら、あの公園には行かない」という文は、問題となっている時点が違うというだけでは説明がつかない、以下のような全く異なる表現を用いて表されるのです。

A: If it had rained at that time, I would not have gone to that park.
B: If it rains tomorrow, I will not go to that park.


このブログで何度も述べてきた通り、日本語を母語とする多くの帰国生・海外生にとっては、このように日本語と英語で背景にある考え方が異なる文法事項については、その用法を確認する機会を持つことが重要になります。完了形などと同様に、このような事項に対する正確な理解なしには、英語で正しく文を書いたり、読んだりすることはできないということになるでしょう。

次回から、事実とは異なる仮定を示す表現である仮定法(the subjunctive mood)の用法について解説しますので、英文法のテキストなどと合わせて、この表現の用法を理解するための手がかりにしてもらえればと思います。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



トップへ戻る