仮定法の基本的な文構造を確認しましょうvol.1 ―英語学習の勧めvol.75―

(2011年6月15日 12:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、英語の世界では、現実に反するような仮定は、これから起こる可能性のあることを提示する仮定(これは通常、条件と呼んでいます)とは区別されるということを説明しました。このうち、現実に反する仮定を表すのが仮定法ということになりますが、今回は基本的な型を確認しておきたいと思います。

例えば、次のような内容の英文を読んでいるところを想像してみてください。お金がなく、自分の娘への誕生日プレゼントすら買うことができないという主人公がいます。彼は娘に嫌われたくないので、身の回りのものを売るなどして、誕生日プレゼントの購入のための資金を作ろうとしますが、それもうまくいきません。そして、「もし、僕にお金があれば、誕生日プレゼントが買えたのに」と呟くわけですが、そのセリフは以下のような英文になっていることでしょう。

If I had some more money, I could buy a birthday present for my daughter.

この文は、「もし、今、お金があれば」と現在の状態に関する仮定を示そうとしているのに、hadやcouldといった過去の表現が使われています。このように、現在の動作や状況に反する仮定を述べようとする場合には、その述語を過去形にするというのが、仮定法という型の一つの特徴です。

また、ifで始まる仮定を表す部分(「もし…だったら」)は、述語を単純に過去形にすればいいのですが、その仮定を受けた帰結を示す部分(「~なのに」)では、その内容に応じて、couldやwould、might、shouldといった語を述語部に入れなければならないというのが、仮定法のもう一つのルールです。これらの語は、それぞれcanやwill、may、shallの過去形になりますが、現在の状況に反する内容を表すのには過去形になった語を用いるということは、この部分にも共通して適用されるルールであることがわかります。

このように、ifで始まる部分とその帰結を述べる部分で構成されていること、ifで始まる部分の述語は過去形にし、帰結を述べる部分ではcouldやwouldなど過去形になった助動詞(an auxiliary verb)を使うことが、現在の事実に反する仮定を述べる文(これを日本語の英文法のテキストでは仮定法過去と呼んでいます)の基本的な型となります。以下に、いくつか例文を辞書から引用しておきますので、上で説明した基本的な型がどの文でもみられることを確認してください。

We could win the game if we tried harder.
If it were warm enough, we would eat outside instead of in our tents.
If the facts leaked out, the effects might well be disastrous.


上で述べたストーリーのように、現在の状況などについて述べていたのに、急に過去形になった動詞や助動詞を用いた文が出てきたら、それが今回説明したような、現在の行為や状況に反する仮定を述べるための基本的な型を取っていないかどうかを確認するようにしましょう。

それでは、次回は過去の事実に反する仮定を述べる際の基本的な型について説明します。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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