仮定法の基本的な文構造を確認しましょうvol.3 ―英語学習の勧めvol.77―

(2011年6月17日 12:20)

こんにちは。SOLの余語です。
仮定法の用法に関する説明に入ってからの2回の記事(vol. 75vol. 76)で、現在や過去の事実に反する仮定を述べる時の基本的な型について確認してきました。しかし、事実に反する仮定というのはそれだけではなく、過去の事実に反する仮定をした時に、その影響がどのような形で現在に及ぶかということを述べる機会も考えられます。今回は、そうした内容をどのように表現するのかについて説明したいと思います。

上で述べたような仮定は歴史学の本などでよく見かけるものですが、例えば、「ケネディ大統領が暗殺されていなかったら、今日のアメリカ合衆国は全く違ったものとなっていただろう」という内容の文を英語で書く場合には、以下のような文にするのが正しいとされます。

If President Kennedy had not been assassinated, the U. S. A. would be radically different today.

この文を見ると、ifで始まる部分は過去完了形になっており、その帰結(「~だろう」)についての部分はwould+動詞という形になっています。仮定法の基本的な型の特徴の一つに、述語となる動詞の時制を時系列的に一つ後退させるということがあるのはこれまでにも述べましたが、それを考えると、ifで始まる部分が過去の事実に反する仮定を示す形になっている一方で、帰結を示す部分が現在の事実に反する仮定を示す形になっている点が特徴的であるとわかります。

これはつまり、仮定法過去完了と仮定法過去を組み合わせて使うことで、過去の事実に反する仮定とその現在における影響を述べることが可能であることを意味しています。以下に、辞書からいくつか例文を引用しておきますので、条件を示す部分と帰結を示す部分で問題にしている時点が異なることを確認しておきましょう。

If I had gotten a raise, I could buy that car.
If he had caught the train, he would be here by now.
If aid had had the predicted accelerating effect on growth between 1961 and 1994, Zambia's income per head would now be more than $20,000.


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