TOEICのスコアアップのための学習法についてvol.7 ―英語学習の勧めvol.91―

(2011年9月14日 9:50)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、TOEICの文章読解にかける時間を短縮するためには、文章の典型的な構成を把握して、読み込むべき箇所に目星を付けられるようになっておくことが一つの対応策だということを述べました。しかし、これはTOEICという試験にのみ有効な対策で、その他の試験には通用しない可能性があります。そこで、今回は文章読解のスピードそのものを上げるための学習法について説明したいと思います。

ほとんどの日本人にとって英語は第二言語になりますが、第二言語で書かれた文章を読解する際にそのスピードが上がらないというのは、全ての第二言語学習者にとって共通の課題です。これは、自分の母語と違って、単語や表現、文法の知識が不足しているということが一つの原因ですし、また実際に文を読んでいる際に、文の構造やその後の展開について推測することが難しいということもあります。そのため、一つの文を読み終わった後に、文の構造や展開を把握するための手間が入ることになり、その分、タイムロスや内容についての誤解が生じるということになります。

それでは、どのような学習をすることによって、これらの問題を克服することができるのでしょうか。これについては多面的な取り組みが考えられますが(例えば、単語や表現を覚える、文法をテキストで勉強するなどのことです)、読む文章の量を増やすということと、その中で一つの文の構造などにこだわってじっくりと読む機会を設けるということをバランスよく行うというのが効果的な方法の一つです。

これは、英語の学習法についての本を読むと、「精読」と「多読」という用語を使って紹介されるものですが、内容や使われている単語、表現が自分の理解できる範囲にある文章を数多く、できるだけ早く読むようにする一方で、その中の構造が複雑な文(例えば、whoやwhichが多く使われているものや、doingやdoneの形で動詞が複数入っているもの)をいくつか選び出し、その構造がどのようになっているのかをじっくりと考えるものです。スピードをつけて文章を読む場面では文の構造などについての推測力を鍛え、じっくりと読む場面では単語や表現、文法に関する知識を増やしていくというのが、この学習法の狙いです。

僕も、英語の教材を作成する時に、多くの文章を読み、その中から和訳の問題にできそうな文を選び出すという作業をしている中で、読解のスピードが向上したと実感をしたことがありますが、自然と「精読」と「多読」という作業をしていたのだと思います。難しい文章を最初から最後まで読み込んでいくという「精読」だけの学習法と違って、継続的に学習を行うためのモチベーションを持ちやすいものですので、文章の読解力を習得したいという人は、このような方向性で学習を進めてください。

それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



トップへ戻る