帰国生大学受験セミナー通信vol.19 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.43―

(2012年10月19日 16:25)

こんにちは。SOLの余語です。
今年も10月の中旬に入り、東京もすっかり秋めいてきました。今年は9月の下旬まで暑い日が続き、ここ2週間で急激に気温が落ちたためか、風邪が流行しているようで、SOLの生徒でも体調を崩している人が何人かいますが、授業を欠席する人はほとんどおらず、自習時間までしっかりと勉強をしているという人がほとんどです。


さて、「SOL帰国生大学受験セミナーについて」では、以前から「共通小論文」というセミナーの生徒が共通して受講する小論文授業で扱った文章の内容をお知らせしてきましたが、今回の記事では9月17日から28日の間の4回の授業で課題としたものの概要を取り上げたいと思います。


・昔から続く風習の中には、科学的に因果関係が確認されているものもあるが、そうではない迷信や験かつぎも多い。このようなものや神話などは無意味な思い込みであるように思われるが、実際には科学とは異なる形で世界を構造化し、理解可能なものにするためのシステムとして機能してきたということを述べるもの


・東日本大震災における福島第一原発事故によって生じた放射能汚染については、累積被曝量が100ミリシーベルト以下の低線量被曝に関する知識や情報が不確定で、専門家やメディアの中立性に対して疑問の目が向けられることが多い。現代社会ではこのような問題がいくつも見られるが、このような状況に対応するためには、比較的信頼性の高い情報を多く集め、複数の可能性を考慮してリスクをヘッジしたり、「正しさの相場観」を形成したりすることが可能になるような環境作りをするのが重要であるということを述べるもの


・英語が国際共通語となった現代では、英語はすでに英米の文化的な枠組みから切り離され、それらの地に住む人の英語を絶対的な基準としない「国際コミュニケーションの手段としての英語」が存在する。一方で、日本における英語教育においては英米の社会で使われる英語が学習目標とされ、英語のネイティブスピーカーが教員として採用されているが、これは一つの文化的枠組みに規定された民族英語の学習を促すという点や、生徒と同じ学習プロセスを経ていない者が教師になっているという点で望ましくないものであるということを主張するもの


・中国では、知的財産権の保護が重視されていないことや、グーグルの撤退などによって情報を非中枢的に共有できなくなったことによって、オリジナルなアイディアが生まれたりイノベーションが起こったりすることが望めない状況になってしまった。これが中国の没落につながる可能性があるということを述べるもの



9月に入った段階で、この「共通小論文」の授業は、それまでの授業外の時間で小論文を書いてもらい、授業時に答案の返却と問題文の内容や望ましい小論文のあり方などについての解説を行なうという一連の流れを改め、80~90分という制限時間を決め課題に取り組んでもらい、次の授業で80分かけて解説を行なうという形にしています。模試形式で小論文を書くことで、それまでに習得した知識をどのように本番で用いるかということや、制限時間内に答案を作成するということを感覚的に理解してもらうことが、このような変更をする狙いです。


それでは、今回の内容に関してご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



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