中国語圏の国の現地校に通う人の大学受験についてvol. 2―帰国生大学入試についてvol.66―

(2012年2月22日 16:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、中国や台湾の現地校に通い、現地の人々と同じカリキュラムで授業を履修している人が、日本の大学の帰国生入試を受験する際に難しい局面に直面することがあるということを述べました。では、2012年度に受験を考えている人がこれからどのような準備をすればいいのか、今回はこの点について説明したいと思います。


これまでの記事でも述べてきましたが、英語運用能力を高めるには、英語を実際に使う場面の多い英語圏の現地校や国際校に通う人の場合でも、長い期間をかけて使用経験を積み上げること、もしくは文法や語彙学習を行う時間を確保することが必要になります。それを考えると、IB Diplomaコースなどの英語を使った授業を中心とするコースにいないのであれば、中国語圏の現地校は英語運用能力をTOEFL iBTやTOEIC、そして帰国生入試の英語試験で高いスコアを取ることができる水準まで引き上げるのには理想的な環境とは言えません。


しかし、中国語の運用能力を伸ばすということであれば、話はまったく異なってきます。高校の授業や日常生活において中国語を使用する機会が多くあるということは、HSK対策の学習をするというような学校外での取り組みがあれば、その運用能力を伸ばすことができる可能性が高いということを意味するはずです。この点、日本の大学の帰国生入試では、英語試験のみが外国語試験として用意されている大学より数は少ないとは言え、首都圏の有名大学で外国語試験で中国語を選択できる(もしくは、中国語に関する一定の資格を持っていれば外国語試験が免除される)大学があります。例えば、中央大学の商学部には海外帰国生等特別入試の外国語試験に中国語がありますし、HSKや中国語検定で一定の級数を取得していれば中国語特別入試を受験できます。その他にも、同大学の経済学部や学習院大学文学部、立教大学経営学部・文学部・異文化コミュニケーション学部、そして駒澤大学といった大学でも、中国語を用いての受験が可能です(このような大学の一覧表を作成してありますので、ご希望の方はこちらよりご連絡ください)。


このようなことを考えると、中国語圏の現地校に通う人にとっては、滞在地にいる間にできるだけ中国語運用能力を高めることが最も無理がなく、また合格可能性を高めてくれると言うことができます。受験できる大学の数を最大限増やすために英語の学習を学校外でしている人もいるかと思いますが、例えば、現時点でTOEICのReading Sectionの正答率が40%に届かないのであれば、充実した受験生活を送るためには、HSKの受験をする(また、その対策学習を行う)という形で、中国語の学習に専念するのがよりよい選択です。


なお、中国語を学んでいく際の学習目標としては、現地の高校を卒業した後に日本で受験対策をしていく中で、HSK対策のテキストなどを用いながらの自学自習を通して帰国生入試の中国語試験に対応できるだけの実力を身に付けられるような素地がある状態になっておくことが考えられます旧HSKで言えば、8級を取得できていると望ましいでしょう)。中国語試験にある大学は数が少ないことを考えると、できるだけ高い運用能力があった方が競争の中で優位に立てるからですし、日本の予備校や塾には中国語試験対策を行うクラスはないからです。今回の記事を読んで、中国語を使った受験をしようと考えた人は、できるだけ中国語の学習に時間を割くようにしてください。


※上で述べたHSK対策の学習についてですが、台湾の現地校に通う人にとってその必要性はより一層高いものになります。それは、日本の大学の帰国生入試における中国語試験は、台湾の現地校で使われるものとは表記法などで若干違いのある、HSKの問題などで使用されるタイプの中国語で出題されるからです。台湾の現地校に通う人は、この点に注意して中国語の学習を進めるようにしてください。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



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