今年も青谷准教授のセミナーに参加してきましたvol.4 ―英語学習の勧めvol.125―

(2013年5月13日 18:40)

こんにちは、SOLの余語です。
前回は、英語運用能力の向上を目標とする場合の単語や表現に関する学習の重要性を再確認した上で、SOLの生徒の多くが使っている教材を紹介しました。TOEFL iBTは基本的に英語圏における最頻出の単語や学術用語で構成されており、その対策のための教材は高校生にとっては英語運用能力を年齢相応な水準に引き上げるのに最適なものだと思います。


さて、今までの生徒を見ていると、単語や表現の意味を記憶するための最もよい方法を模索している人は少なくありませんし、僕も大学受験生であった頃には様々な方法を試しました。その一つは、日本の高校生がよく行なっている、ある単語の意味を声に出して確認するのと同時に、スペルを何度も紙に書いてみるというもので(僕の友人には日によって使うペンの色を変えるという人もいました)、脳科学者の茂木健一郎氏などは物事を記憶するのに視覚や聴覚、触覚といった感覚器官を複数用いる手法が望ましいと述べています。


しかし、僕の場合はこのような方法で単語や表現の意味が効率よく脳内に定着したという印象がなく(高校時代の僕が怠け者で、単に学習量が足りなかっただけかもしれません)、その代わりに行なっていたのが一つ一つの単語が持つイメージとは何かということを考えるものです。日本で出版されている単語や表現の学習のための教材には、一つのものの意味の説明として日本語の単語などが複数掲載されています。例えば、accommodateという単語には「適応させる、調節する、受け入れる、(乗り物が人を)乗せる、収容能力を持つ」という説明があるという形です。これらは一見すると、統一したイメージがない単語が羅列されているように思えるかもしれませんが、よく考えてみれば「ある枠内の中に何かを入れる」というような意味が一貫して存在します。意味の説明をする日本語に共通したイメージについて検討するという過程を経たものは今でも記憶に定着しており、リーディングをする際に辞書を引く手間を省くことができています。


単語や表現の学習に関する最近の研究では、意味や用法を記憶する作業の中で学習者に思考する機会を持たせるべきということが主張されており、学習目標となるものを用いた文章を読ませて、その意味を推測させることなどがよいとされています(SOLの英語教材では、長文を読む前に文章内にある重要な単語を取り出して、その意味の推測を短い文に合わせた四択クイズで行なうという形を採っています)。「頭の働かせ方」で最も効率的なものはどのようなものかに関しては絶対的な結論があるわけではなく、具体的な方策は個人ベースで考えていいもののようですが、このような研究成果に関する文章を読んで、自分の学習体験について納得がいった覚えがあります。単語や表現の意味を何回確認しても記憶できないという人には上で紹介した2つの学習法を参考にしてもらえればと思います(2つ目の学習法を採用する場合、学習者本人が単語テストを作成するのは難しいでしょうから、単語集に載っている例文の和訳を隠して意味の推測を行なうようにしてください)。


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