今年も青谷准教授のセミナーに参加してきましたvol.7 ―英語学習の勧めvol.128―

(2013年5月23日 19:40)

こんにちは、SOLの余語です。
前回は、単語や表現の学習に関して、意味が理解できるものを増やす作業は成果が上がっていることが実感しにくいものであり、それが理由でスムーズに進められないことがあるため、すでに学習したものを定期的に復習するなどの形で手応えを得られるようにした方がよいということを述べました。単語などの意味を記憶に定着させるための手法で絶対的に効果があると学術的に証明されたものはありませんので、今までの記事で紹介した注意点を念頭に自分に合ったアプローチを模索してもらえればと思います。


さて、英文を正しく読み書きできるようになるには、単語や表現の意味といった知識の蓄積だけでなく、基礎的な文法事項を理解していることが必要になります。例えば、帰国生や海外生の中には、ある文を構成している単語で自分が意味の理解できるものだけを抜き出して、それを基に話の大筋を推測するという形で読解を進める人がいますが、このような推測が外れることは珍しくありませんし、そもそも自分に知識がないトピックに関するものを読むことができなくなってしまいます。英文をこのように読んでしまうことの背景には、一つ一つの単語が他のものと結びつく関係性にはどのようなものがあり得るのか、もしくは一つの文はどのような役割を果たす単語で構成されるのか(日本語の文法で言えば、主語や述語といったことです)といった点に関する理解が不足していることにあります。


文法の学習と言うと、仮定法や完了形、分詞、動名詞のように自分一人では整理するのが難しかったりその用法などを完全に理解したりするのが難しい事項があるので、帰国生や海外生には敬遠されがちですが、少なくとも英文の構造を分析するのに最低限必要なもの(例えば、どのような語が主語や述語となるのかということや、一つの文を成立させるにはどのような役割を果たす語が揃っていなければならないかということです)についての学習をしておくと、それ以前には察知することのできなかった単語と単語の関係が見ることが可能になり、一見複雑な構造を採っているように思えたものでもその内容に関して確信を持って判断ができるということが増えていきます。これは高校での学習を充実したものにすることや、TOEFL iBT・TOEFLなどのスコアを上げることにつながりますし、高校卒業後に日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験準備に本格的に取りかかる前の段階で習得しておけば、英語試験対策をスムーズな形で始められることになると思います。


なお、日本の英語教育で用いられる文法用語が嫌いだという帰国生や海外生は多いので、上で説明したような文法事項に関して日本で出版されている教材や本で勧められるものはあまり多くはないのですが、以下で紹介する本はそのような傾向があまり強くないためか、読んでも嫌悪感を抱く人が少ないようです。文法の学習の第一歩目としてもよいと思うので、僕からの推薦図書としておきます。


・『一生モノの英文法』(講談社現代新書)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E7%94%9F%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E8%8B%B1%E6%96%87%E6%B3%95-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%BE%A4%E4%BA%95-%E5%BA%B7%E4%BD%91/dp/4062881586/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1369304194&sr=1-1&keywords=%E4%B8%80%E7%94%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AE%E8%8B%B1%E6%96%87%E6%B3%95


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