今年も青谷准教授のセミナーに参加してきましたvol.9 ―英語学習の勧めvol.130―

(2013年6月10日 19:15)

こんにちは、SOLの余語です。
前回は、年齢相応な内容を伴う英文を正しく読み書きするためには、文法事項の中で一定のものに対する理解を深めることが必要であるものの、それは学習者個人で行なうことが難しいことを考えると、適切な教育サポートのある予備校や塾、通信指導などを利用すべきということを述べました。帰国生や海外生の中には、言語を体系的に学ぶという経験がない人がおり、このようなケースでは文法のテキストを用いる際に問題に直面する場合がありますので、上のような方向性で学習を進めてください。


さて、ここ数回の記事は青谷准教授のお話に僕からの補足を加えるという形で話を進めてきましたが、今回はセミナーでお聞きした英語学習の注意点について話を戻したいと思います。「英語学習の勧め」のvol. 122では、英語以外の言語を母語とする人(帰国生や海外生の多くはこれに当たります)は英語を意識的に学習する機会を持たない限り、その運用能力が向上する可能性はほとんどないということを述べました。これは、英語を使用する経験を蓄積する中でも意識的な形で臨まなければならないという点では同様で、特に自分が表現したいと考えたのに、語彙力や文法に対する理解が不十分であるがために実際にはできなかったものを記憶しておくことが重要だそうです。


このような記憶のデータベースの形成は、例えば日常的な会話をしている場面で自分が知らなかった表現に対する注意力を増進させる効果があり、それに接した際に習得する可能性も非常に高いものになるという研究結果があるようですし、青谷先生も個人的に自分に足りない語彙や表現に意識を向けた結果、経験の蓄積の中から学んだことは多いという話をされていました。そして、自分に足りないものを明確にしていくための取り組みとしては、英語で毎日の日記を付けるようにすることが望ましいということでしたが、日記を書く際にはその一日で最も印象に強く残ったものは個人個人においてはっきりとしており、それを自分の書きたいように書けるかという基準で英語を自由自在に用いるのに足りないものを確認するために最適な学習法だと僕も思います。


最近は、英語を話したり聞いたりしさえすれば、英語運用能力が自然と身に付くという学習観が日本でも広く支持を得ていますが、帰国生や海外生の中には海外での滞在期間が長くても英語運用能力を向上させることができない人がいるということを考えれば、ただ漫然と経験を蓄積するだけでは十分ではないということになりそうです。今回紹介した点に注意しながら海外での生活を過ごすようにしてください。


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