北半球の高校生の受験準備に関してvol.37 ―帰国生大学入試についてvol.179―

(2013年6月11日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、例えばTOEFL iBTのスコアで言えば85~99点をコンスタントに取ることができる、帰国生の中で学力的に中間層に位置する人の日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験準備を行う環境について、小論文の授業を担当する教師が進路指導に関っていることが適切な形で学習を進めるために必要不可欠であるということを述べました。小論文を書く能力の評価は言語化・数値化することが難しいことを考えると、その対策を指導する教師が進路指導に関与していない限り、各大学の入試の傾向を正しく伝えることは難しくなりますので、予備校や塾を選択する際にはこの点に注意してもらえればと思います。


さて、日本の大学の帰国生入試では、上智大学の帰国生入試に代表されるように、小論文試験において各学部・学科で専門的に扱われている学問に関連した文章の読解を求めるものがあることは以前にもお知らせしました。このような出題傾向のある大学は首都圏の有名私立大学に限定しても、明治大学や中央大学、学習院大学、青山学院大学が他にありますが(毎年必ずそのような形で出題がなされるわけではありませんし、同じ大学でも学部によってこの傾向が見られる度合いが異なります)、これらの大学を志望校とするのは中間層に位置づけられる学力を持つ人では一般的なことです。


そのような方向性で受験する大学を考えるのであれば、なるべく早い段階で学ぶことを希望する学問は何かということを確認し、それに対する理解を深めることが重要になります。特に、英語試験において高い得点を取ることが期待できない(もしくは、英語試験の代わりにTOEFL iBTやTOEICのスコアを提出するものであれば、それがあまり高いものでない)場合には、小論文試験の得点で逆転するというイメージで受験に臨むことになる(上智大学の大半の学科ではそもそも英語試験や英語運用能力試験のスコアが合否に影響を与えることがないので、日本語の論述試験の結果が合格者の判定に直接的な関連性を持っています)ので、学力的に中間層に位置する人にとって学部・学科の選択に力を入れることは大切であると言うことができます。


なお、このような取り組みにおいて学問的な内容の本を読んだり、大学の授業に実際に参加してみたりという形で自分なりに色々と努力してみることは重要なことですが、高校生の段階では一つ一つの学問がどのような範囲の事柄をどのような視点から見るのかということについて全体的な理解を持つことは難しいということがあり得ます(と言うか、そのようなケースが一般的でしょう)。したがって、自分の学問的適性や大学時代に学びたいことを確認する過程では、各学問の概要についてある程度の俯瞰的な視野を持つ大人にサポートしてもらうのが望ましいということになりますし、受験に向けた準備を行なう環境を選択する際にはそのような体制が整っているのかということをしっかりと確認すべきだと思います。


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