青山学院大学文学部英米文学科の自己推薦入試の小論文試験について(2013年度) ―英語学習の勧めvol.138―

(2013年7月29日 19:25)

こんにちは、SOLの余語です。
前回は、経済学や法学のような社会科学系の専門用語などの知識を習得しておくことが求められる英語試験の一つとして、学習院大学経済学部の海外帰国入試のものを取り上げました。このような試験では経済学の概念が理解できていないと文章を読むのがそもそも難しいという問題が出題されることがありますので、日本語で自分の受験する学部・学科で研究されている学問に関する新書などを読むようにしてください。


さて、入試の英語試験で十分な成績を収めるために、学部・学科に合わせた対策が必要になるところは他にあり、英語圏の国々の教育制度(IB Diplomaコースを含む)で学んだ人が難しく感じることのあるものがあります。その一つが、青山学院大学文学部英米文学科で実施される自己推薦入試の英語試験で、この試験ではエッセイを書くことが求められますが、過去には自分なりの英語学習の取り組み方や学習していく中で注意した点がトピックとして出題されました。


高校で授業を受けて、その内容が理解できるだけの英語運用能力を身に付けた人が書類審査を通過して上の試験を受験することを考えると、この試験に向けた準備を行なう必要性はないとも思われる一方で、海外での滞在期間が長い人の中には意識的に英語学習に取り組んだ経験がないという場合がありますし、18歳ぐらいの年齢だと大人が用意した教育プログラムを受けるという形でこれまでの学習を進めたというケースも少なくないはずです。また、TOEFL iBTの対策だけが英語を学習した体験の全てであるという人もいるでしょうが、ただ「TOEFL iBTに向けて勉強した」というのではエッセイの内容を充実したものにするのは難しいことです。


このような問題を克服するには、英語学習のあり方に関する本などを読むことで、自分が何を意識して学習したのかということなどを思い出したり、一般的に学習上の重要なポイントをされているものは何かということに関する理解を深めたりすることが求められます。この点、日本では最近、「グローバル人材の育成」を謳い文句に英語の学習が重視される中で、外国語学習に関する書籍が多く出版されています。この入試を受験する人は、例えば、菅原克也氏の『日本語と英語のあいだ』(講談社現代新書)や、白井恭弘氏の『外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か』(岩波新書)といった新書を読むことをお勧めします。


それでは、今回の内容について、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


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