2015年度帰国生大学受験セミナーの現場から見えたことvol. 11 ―帰国生大学入試についてvol. 239―

(2016年7月12日 11:40)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試についてvol. 238」では、インターネットに対して多くの人が抱いている「インターネットを使えば、ある情報はそれが必要になった時にいつでも得ることができる」というイメージが、子どもの知的な関心を引き出すための働きかけに及ぼす影響について述べました。インターネットや情報機器の利用には多くの利点があるのは確かですが、子どものように様々な面で発達段階にある人への影響にはより自覚的になるべきです。

さて、ここまで「帰国生大学入試について」というタイトルの下で、帰国生や海外の学校で学んでいる人に限定されない、まだ教育を受けることが必要な子ども一般を対象とした話をしてきましたが、今回の記事は保護者の海外転勤や単身留学で日本国外に出ることになった人に焦点を置いたものとしたいと思います。海外で日常生活を送っていると、それ以前には体験することのなかった、自分のものとは異なる価値観や慣習などにふれる機会を多く得られます。このようなことを考えると、子どもの知的な関心を引き出す絶好のチャンスと言えるかもしれません。

ただし、海外に渡航する前に、自分が学ぶことになる学校で主に使われている言語を学んだり、その地の文化のあり方に対して一定の理解を持つように試みたりするといった準備をしないと、3ヶ月といった一定の期間は周りの人が話していることを理解することすらできず、自分の国や地域の文化との違いばかりが目についてしまい、その結果、新しい環境に馴染むことができない可能性が高まります。一方で、現在では、インターネットを通じて20年前には想像もできなかったほど多くのコミュニケーションや情報を取得するためのチャンネルが元々生活していた地域との間で開かれており、海外での生活に苦しさを感じている人にとってはそれが現実から逃避するための方法として機能してしまうことが少なからず見られるようです。

これは、海外に滞在している間に強い郷愁の念を示すと言われる日本人に限定されたことではないようで、最近、SOLの教室で大学受験のための準備を始めた生徒が、ホームステイ先で一緒に住んでいた中国からの留学生が英語をうまく話せるようにならないことなどが原因で、自分の部屋に引きこもり、インターネットで故郷にいる友人と連絡を取ったり、ゲームをしたりして一日を過ごしているという話を聞きました。このような状況が続くと、インターネットに依存するようになることは容易に想像することができますが、そこから抜け出すのは大人であっても難しいことであり、ここまで述べたようなインターネットや情報機器の負の影響を長期間にわたって受け続けることにつながってしまうでしょう(「このような人はインターネット関連の仕事をすればいい」と言う人もいるかもしれませんが、そのような仕事の数には限りがあるでしょうし、知的な好奇心や学習意欲が旺盛でないと、創造的な成果を残すことは難しいと思います)。

上で述べたような問題を回避するには、海外に渡航する前に十分な準備をすることが必要ですし、また(単身留学をしている人にとっては難しいことかもしれませんが)インターネットや情報機器の利用に一定の制限を設けるべきです。例えば、学校の課題のための情報収集以外での使用時間を決めてしまうとか、寝床の近くには機器を置かず、寝る30分前には画面を見るのもやめるとかいうルールを作るのはよいと思います(説教好きのオジサンがするような話になってしまい申し訳ないですが)。

それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームやこちらよりご連絡ください。

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