単語の学習について vol. 6 ―英語学習の勧めvol. 161―

(2016年7月21日 10:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、英単語の学習について、4つの基本的な方針を示したうえで、まず1つ目の「学習は長い期間をかけて進める」ということの必要性を、日本で出版されている教材という観点から考えてみました。文法などに関する学習で使用されるものと違い、短期間で多くのものを習得できると謳うものが単語の学習にはほとんどないことを踏まえると、単語は長い時間をかけて学ぶべきと考えることができます。

そして、これは以前の記事で示した学習目標となる単語の数と、人間が一度の学習で記憶できるものの量という点からも当然のことであるように思われます。これまでの生徒を見ている限り、単語の学習の重要性を理解している場合でも、ある日に張り切って学習してみたのに、一定程度の期間が経った後に確認してみたら意味や用法が記憶に定着しているものの数が少なかったことに落胆して、学習に取り組むことを止めてしまったというケースは少なくありません。日本の中学校や高校で学んだ人の中には定期テスト前日の「一夜漬け」的な学習の中で数多くの単語の意味を覚えた経験がある人もいると思いますが、そのような記憶が試験後も維持できたというのもあまり聞かない話です。これらのことを考えると、通常の記憶能力を持つ人間が一度の学習で長期記憶にとどめることのできるものの量は限定されていると考えてもよいでしょう。

僕らは生徒に「意味を知らなかったものを20~25語」を一日の学習目標と伝えるようにしているものの、派生語をいくつも持っている単語(例えば、continueとかextendといったものです)の意味が頭に入っていない学習の初期段階では、学んだ2、3日後まで記憶に残っているのは7~10語というところです(復習をしなければ、この数は減っていきます)。これが平均的な数値だという前提で単純に計算してみると、TOEFLやIELTSを受験する場合、学習目標は最低でも10,000語ですので、そこに到達するのに1,000~1,400日かかってしまうことになります(実際には、学習を開始した時点ですでに記憶しているものがあるはずですし、ある単語の意味を覚えることによって、その派生語を記憶するのは容易になるので、上に書いたものよりも短い期間で目標を達成できるとは思いますが)。

このように、単語は長い期間をかけて意味が理解できるものを増やしていかなければなりません。そして、学習に費やす期間を1、2年に設定しているケースでは、先日示した学習の基本方針の2つ目、「毎日、コツコツと続けていく」ということをできるだけ実現した方がいいと思います。これは難しい話だということは理解していますが、できるだけ負担のない形で継続的に実践するためのコツを次回の記事ではお知らせできればと思います。

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