TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(12) ―英語学習の勧めvol. 181―

(2021年1月20日 11:05)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、英語の文法に関する理解が十分でない場合に文の内容を誤って捉えてしまう可能性があるということをIELTS対策のテキストから例文を一つ抜粋して確認してみました。そこで取り上げた動詞の形の変化に関するルールが分かっていないと学問的な文章がいかに読みづらくなるかということを実感できた人もいるかと思います。

TOEFL iBTであれIELTSであれ、特に英語を母語としない人が英語圏の大学で学ぶ能力があるかを確認する英語運用能力試験のReadingで出題される文章を読んでいくのに必要な文法的なルールに関する基礎的な学習は、日本の学校のカリキュラムでは中学3年が修了する時点までに行われることになっています。そのため、中学校を卒業する前に海外へ渡航した場合には英文法を学ぶ必要性が高いと言えると思いますし、日本の学校でよく見られる文法教育は「理解する」よりも「覚える」ことに重点が置かれていて、一つ一つの事項が有機的に結び付けられておらず学習者にとって負担が大きいものになっていることが一般的であるため、高校から単身留学したというケースでも少なくとも日本の中学校で教わったことを「活用できる知識」にするための学びをしなければならない人が多くいます。

また、ここまで何度も述べていますが、日本語と英語の言語学的な距離は大きいため、海外の教育機関での学習期間が長い人でも、特に2つの言語を母語としている人々のものの捉え方に大きな違いがある事項に関しては理解が十分でなかったり体系的な整理が必要だったりするということも少なくありません。特にTOEFL iBTやIELTSを何度受験してもスコアが一定のところ(TOEFL iBTなら80前後、IELTSなら6.0前後)から上がって行かないという人は何らかの形で英文法についての理解の度合いを確認し、意識的な学習を継続的に行う機会を持った方がいいと思います(SOLの帰国生大学受験セミナーの生徒の中には、このような取り組みをした上で継続的な学習を続けたことでTOEFL iBTのスコアが40以上上がった人もいます)。

英文法に関する理解を深めるための学習について生徒からよく聞くのが、英語圏のネイティブの教師にエッセイを添削してもらった時などに抱いた疑問を投げかけてみても「ここの部分はこのように書くのが自然な形だ」や「英文とはこういうもんだ」というような答えしか返ってこないという話です。このような反応については、日本語を母語とする人でも日本語の教師の資格を取るための学習などをしないと、(特に異なる言語を母語とする人を相手にした場合に)その文法的なルールを体系的に説明することが難しいということを考えると仕方がないように思われますが、そのような形で指導を受けることが多い状況では、自分が見聞きしたことを体系的に整理する能力が高い人がエッセイの添削指導などを長期間に渡って受けるということでなければ、文の読解に必要な文法事項を自分の頭の中に定着させることが難しいということになります。

例えば、高校の長期休暇の間に滞在している地域の英語圏のネイティブが運営している語学学校でTOEFL iBTやIELTSの対策講座を受講することを考えている人は、そこの教師が英語を母語としない人に英語の文を構成するルールなどについて教授する専門的な技量を備えているのかどうかを確認した方がいいと思います。

それでは、TOEFL iBTやIELTS、TOEICなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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