学習院大学国際社会科学部の総合型選抜(AO)について ―帰国生大学入試についてvol. 342―

(2022年10月21日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
10月14日の記事では、学習院大学の文学部や経済学部、法学部が実施する海外の教育機関に在籍した経験のある人を対象とした入試の概要を紹介しました。この入試の実施のあり方は学部によって異なりますが、共通して重要なのは筆記試験の出来が重要になるということです。それぞれの学部で科目が異なりますし、出題する問題に関しても一定の傾向がありますので、それに合わせた形で受験準備を進めていくのが望ましいと思います。

さて、学習院大学では国際社会科学学部が「総合型選抜(AO)」という名称で、海外の教育機関に在籍した経験のある人にも出願資格を与えるAO入試を行っています。この学部は、グローバル化している産業界で活躍できる人材を育成するという社会的な要請に合わせて設置されたもので、英語を主な使用言語とした経済学や経営学、法学といった社会科学系の学問の授業を受けることができます。

このような学部の存在意義については、学生の知的な関心を十分に引き出すことのできるような深みのある授業ができるのかといった点などから我々が懐疑的な姿勢を取っていることは以前に掲載している記事を見てもらえば分かると思いますし、実際にカリキュラムを見てみると企業の経済活動に関連したものばかりで、2008年のリーマンショック以来、社会科学系の学問が克服しようとしてきた倫理的な問題を無視しているような印象も受けます。ただし、SOLのOBOGや生徒の周りにいるこの学部に在籍した経験のある人の評価がよいものである場合もあるようです。

国際社会科学部の「総合型選抜(AO)」は、卒業した高校がどのような教育制度を採用しているかに関わらず、学部指定の英語運用能力試験で一定水準以上の成績を修めた人に出願資格を与えています。その上で、出願手続き期間で提出された書類の内容を基に第1次選考を行い、それを通過した人だけを対象に第2次選考として英語での問題文を出題する読解論述試験や口頭試問試験を実施します。

第2次選考の試験のうち、前者では社会科学系の学問でよく取り上げられるトピックに関する英語の文章が出されることが多いですが、これを正確に読解するには、日本の大学の一般入試の対策のための教材で「難関大学レベル」とされるものを使って、単語や表現、社会問題に関する知識を蓄積し、複雑な文の構造を分析する能力を上げていくことが必要になると思います。また、この試験では与えられたトピックに関する自分の意見を説明することが求められることがありますし、口頭試問試験でも同様の問題を出題すると入試要項に記載されています。これについては、TOEFL iBTやIELTSのWritingやSpeakingの課題を使って、添削された答案を書き直しをするといった形で準備を進めていくのが望ましいです。

この入試の第1次選考の出願手続き期間は10月後半に設定されています(今年度は10月21日~10月26日でした)。4年間の学習計画をそれに関する図を作成することで説明するもののように他の大学の入試では見かけないような書類があるので、そのようなものの作成に時間がかかること、そして第2次選考に進む場合にはそのための手続きを別途取らなければならないことに注意した方がいいでしょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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