中央大学経済学部の海外帰国生等特別入試などについて ―帰国生大学入試についてvol. 350―

(2022年12月16日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、中央大学法学部が実施している英語運用能力特別入試の概要を紹介しました。この学部はこれまで法曹界の関係者を多く輩出しており、そのために必要な学習環境が整っているとして社会的な評価が高いものになっているため、受験者に一定水準以上の日本語運用能力があることを求めていると考えられますが、少なくとも政治学科においては英語をどれくらい使うことができるかが合否の判定において重視されるようです。そのため、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の対策を十分に行っておくべきでしょう。

さて、この大学の経済学部には経済学科や経済情報システム学科、国際経済学科、公共・環境経済学科の4つの学科があり、自分が大学で追究したいテーマに最も適したものを選ぶことが可能です。特に、経済学の視点から環境問題の解決について考える学科が独立して存在するのが他の大学と比較した際の特徴の一つとなりますが、この学部では英語圏の国や地域の教育制度を採用する高校に在籍した人を海外帰国生等特別入試や英語運用特別入試、ドイツ語やフランス語、スペイン語、中国語を主な使用言語とする環境で学んだ人を海外帰国生等特別入試やドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語運用能力特別入試で受け入れています。

これら3つの特別入試のうち、英語運用能力特別入試やドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語運用能力特別入試は学部が指定する外国語運用能力試験で一定の水準以上の成績を修めている人の出願資格が与えられるものです。合否の判定は、小論文試験の出来に合わせて、出願手続き時に提出した外国語運用能力試験の成績に基づいて行われます。小論文試験の準備が万全な形で進められれば(過去問を確認してもらえれば分かると思いますが、経済学に関連したトピックに関するものが出題されるとは限らないので、幅広いものに対応できる力を身に付けておく必要があります)、TOEFL iBTで70台後半、IELTSで6.0というスコアが取れている場合でも合格可能性が出て来ます(このラインに到達していない人は海外帰国生特別入試を受けた方がいいかもしれません)。

また、海外帰国生特別入試では出願資格に関する条件が海外の高校に在籍した期間に関するもののみとなっており、外国語運用能力試験の成績証明書を提出する必要がありません。ただし、小論文試験(上の2つの入試と同じものが出題されます)と面接試験に合わせて、英語やドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語の中から自分が指定する外国語試験を受ける必要があり、この学部が今回取り上げている3つの入試を統合した形で運用しているため、例えば英語試験を受けるのであれば、学部がTOEFL iBTやIELTSで上で述べたようなレベルの運用能力を持っていると判断するようなアピールができなければ合格することは難しいでしょう。こちらで受験する人は小論文試験だけでなく、外国語試験に向けた準備もしっかり行うようにしてください。

これらの入試の出願期間は9月中旬(今年は9月13日~9月20日でした)になります。学部を志望する理由を説明する自己推薦書の字数が1000字となっていますので、スケジュールを意識しながら作成を進めるべきだと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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