現在の教室の状況について(2023年1月9日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 225―

(2023年1月9日 18:30)

こんにちは。SOLの余語です。
2022年11月21日の記事では、現在の日本社会において中学受験やその準備に代表されるように若い人が早い段階から競争に参加することを迫られるようになっており、予備校や塾が企業的に運営される中で一般的に高い評価されるような受験実績を残しそうな一部の人だけが優遇されることによって、それ以外の人の自己評価(self-esteem)が下がっているのではないかと述べました。このような流れに飲み込まれないように、SOLは特定非営利活動法人(NPO)として帰国生入試やAO入試を受験する人のサポートを行っています。

さて、上で述べたような競争から生じる大きな精神的な負担をより深刻なものにしているのが、保護者が中学校、もしくは高校、自分の子供の大学受験に向けた学習に積極的に介入するようになったことです。以前の記事でも紹介しましたが、東京都内の心療内科の医院では小学生高学年で受診する人が増えており、その多くが中学受験に向けた学習によるストレスが大きなものになっているだけでなく、成績があまりよくないといった理由で両親から強い叱責を受けることでそのような状態になっているという報道が3年近く前にありました。

SOLの生徒でも、「中学受験をしてみないか」と小学4年生の時に保護者から提案され、それが大変な苦労を伴うものだという認識があったので躊躇していたところ、「よい人生経験になるし、成績が伸びなくても一切怒らない」と言われたので塾に通い始めたと言う人がいます。しかし、実際に受験準備を始めてみると、塾の教師だけでなく両親が成績の高低に強い関心を示すようになり、週末のテストで一度でも失敗すると罵倒されたり、よい成績を修めている兄弟だけを優遇するという扱いを受けたりするケースが多くあり、大人に対する強い不信感を持つようになり、両親とまともにコミュニケーションを取らなくなった人も少なくありません。

以前は、このように学習の進め方にのみ注目して子供の評価をする親を「教育ママ」などと揶揄する表現がありましたが、今では子供の教育に強い関心を寄せる保護者が一般的なものになった印象があります。そのような変化には、日本社会が長い不況期の中にあり、質の高い雇用が減少しているだけでなく、これからグローバル化がより進展したりAI技術が発展したりすることによって、安定した経済生活を送れる人が一部に限定されるようになると言われていることが関係していると思われます。また、学校外での教育にかかわるコストが高いものになるにつれ「よりよい成果を上げてほしい」と考えるのは普通のことでしょうし、「賢い消費者」もしくは「優れた投資家」になることを求められている状況では、子供の学習を管理しようという姿勢を示すようになるのは仕方がないことかもしれません。

ただし、ここで一つ注意しておかなければならないのは、子どもの精神的な安定性を保ったり、自己評価を過度に下げないようにしたりするのに大きな役割を果たすのが、彼ら/彼女らにとって生活を送る上で最後のセイフティーネットとなる家庭であるということです。これは子どもの心理状態や発達に関する研究を行っている領域では当然のこととされている話であるものの、通常の社会生活の中では軽視されるようになったものであり、そのような変化が自己評価が低い若者を多く生み出していると考えられるのです。

さて、東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスの感染拡大に関して第8波の中にあると言われています。ここまでの感染者が急激に増加した期間と異なり、僕らや生徒の周りでも感染したという話をよく聞くようになった印象がありますが、若い人であっても高熱が出ることが少なくないようですし、激しい症状がなくなった後も強い倦怠感などが残ることもあると聞いています。入試日が近い人がいるので、感染対策はしっかり行いたいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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