法政大学の国際バカロレア利用自己推薦入試について ―帰国生大学入試についてvol. 356―

(2023年2月10日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、法政大学の経済学部や法学部国際政治学科の英語外部試験利用自己推薦入試の概要をお知らせしました。この入試はTOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験で一定以上のスコアを取得した人に出願資格を与えるものですが、経済学部ではその時々の経済学に関連する社会問題に関する小論文の問題に取り組まなければなりませんし、法学部国際政治学科では面接試験において自己プレゼンテーションをすることが求められます。それぞれの特徴に合った対策をしましょう。

さて、この大学では海外の高校を卒業した人が受験できる特別入試が他にもあり、その中にIB Diplomaを大学が定める水準以上の最終成績を伴う形で取得した人に出願資格を与える「国際バカロレア利用自己推薦入試」があります。この入試は、文学部や経済学部、人間環境学部、キャリアデザイン学部で実施されており、predicted gradesが26以上であれば(英語運用能力試験のスコアが提出できなくても)出願資格を得ることができます。出願手続き時に提出する書類も、高校の卒業証明書や成績証明書、志望理由書(文学部哲学科では英語での小論文も提出が求められます)に合わせて、IB Diplomaを取得した証明書を提出するのみです(取得見込みの場合には、その旨の証明書を出願手続き時に提出し、合格した場合にのみ取得できたことを証明する書類を別途大学に送ることになります)。

合否の判定は、学部によって異なる方法で行われ、人間環境学部やキャリアデザイン学部では小論文試験や面接試験の出来、文学部や経済学部では面接試験(文学部英米文学科では英語を用いた口頭試問も含まれます)の出来がその判断材料となります。小論文試験の過去問は3年分大学のホームページに掲載されているので、そちらも確認してもらえればと思いますが、人間環境学部ではSDGsのようなその時々で注目を集めている人間の活動と自然環境の関係についての文章が出題されることが多いようですし、キャリアデザイン学部の過去問では大学教育のあり方を含めた個人のキャリア形成に関わる社会構造を題材としたものがよく見られますので、それぞれの方針に合った新書などを読むことが対策になると思います。また、面接試験が主となる学部では志望理由書などの内容をできるだけ深めておくことが重要です。

この入試の出願手続き期間も学部によって違う時期に設定されており、キャリアデザイン学部が9月下旬から10月上旬、人間環境学部が10月上旬から中旬、文学部や経済学部が11月上旬から中旬になっています(今年度はそれぞれ2022年9月27日~10月7日、10月4日~10月14日、11月8日~11月18日でした)。志望理由書について学部による指定がありますし、その内容が合否の判定に強い関係性を持っていると考えられる学部もあるので、早目にホームページなどを確認すべきでしょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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