現在の教室の状況について(2023年6月19日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 249―

(2023年6月19日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、最近話題になっているChatGPTのようなAIに関連した技術の急速な発展により社会の中で多くの雇用が失われると言われる状況においても、ほぼ全ての論者が、「教師データ」を統計的に処理するというAIの本質が変わらない限り、人間的なコミュニケーションを必要とする領域は大きな影響を受けないと述べているという話をしました。これが、僕らがこれから社会に出る人々のコミュニケーションのあり方に注目する理由の一つです。

さて、先日、社会学者の上野千鶴子氏のブログを読んでいたら、この4月に社会人になった人たちに向けたメッセージが掲載されていました(リンクをこちらに張っておきます)。そこで、彼女はこれからの日本社会が近い将来にどのようなことが起こるかが分からない「予測のつかない社会」であると評価しており、その理由として、産業構造そのものが急速に変化しており、成長産業と衰退産業の入れ替わりが頻繁に起こること、そもそも盤石の基盤を持っていると考えられていたものを含めて日本企業での平均寿命が23.9年であることを考えると勤めていたところが倒産といった事態に直面する可能性が常にあることなどを挙げています。

このような状況に適応していくために、企業も個人も変化し続けていかなければならず、そのために個人のレベルでは一つのことに特化するのではなく複数の分野に股をかける「ひとりダイバーシティー」を実現し、選択肢を増やしておくことが求められるというのが上野氏の考えのようです。これについては、別の論者から人々が自らの人格を形成していくのが難しくなり不安定な状態に置かれると批判されることもありますが、実際に今後少しでも安定した生活を送りたいのであれば社会の変化に合わせて学び直しを行うことが必要になるのではないかなと思います(最近はリカレント教育とかリスキリングという言葉をよく目にしますが、上野氏の考えに合ったものでしょう)。

ただし、個人が選択肢をできるだけ増やしたとしてもそこにその時々の社会のあり方に合ったものがなければ安定した生活を送ることができなくなるでしょうし、ある時点で新たな専門的な知識や分析の手法を習得しようとしても、それには時間がかかります。それを踏まえると、自分を変化させるための取り組みを行うだけでは十分なものと言えないですが、上野氏の提案の不十分な点を補うのが自分の身の回りに相互扶助的なコミュニティーを形成することになのだと思います(日本社会には欧米の教会のような中間団体があまり存在しないか、労働組合のように機能不全に陥っているものしかないので、その重要性は高まるはずです)。

現在は、SNSやオンラインゲームなどを通じて、自分なりのコミュニティー作りに時間や労力を費やしている人が少なくないようです(SOLの生徒やOBOGの中にも、そのような形で人間関係を広げている人が多くいます)が、それを支えるのがコミュニケーション能力です。これもこのブログでSOLの生徒のような18、19歳の人が周りの人とどのような関係を築いていくかについての記事を多く掲載している理由の一つになります。

なお、現在の教室の様子を写真で確認したい人は、SOLのFacebookやInstagramのページを定期的に更新していますので、そちらを見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

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