現在の教室の状況について(2023年11月27日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 266―

(2023年11月27日 19:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、一般入試に比べて倍率が低いものが多いという理由だけで簡単に合格できると判断されている帰国生入試や総合型選抜においても、特に首都圏の有名私立大学では不合格になる人が少なくない数出るため、SOLの帰国生大学受験セミナーではそのような状況で生徒と前の入試では何がうまくいかなかったのか、どのような形で学習を進めて行けば次の入試での合格可能性を上げることができるのかを確認するようにしているという話をしました。不合格に終わるのは受験生にとって大きなショックを受けることであるはずですが、この取り組みで早い時期に前を向けるようになる人は少なくないようです。

さて、ここまで、SOLの帰国生大学受験セミナーのグループ指導では、2名の教師が授業だけでなく進路に関する相談の対応や日本語小論文などの答案の添削まで、生徒の受験準備のサポートの全てを担当していること、そして定員を16名としていることによってどのようなことができているのかについて説明してきました。受験準備の様々な局面で具体的に僕らが行っていることは10月16日から前回までの記事で具体的に確認できると思いますが、その全てに通底するのは「SOLの生徒には安定した精神状態で学習に臨んでほしい」という考えです。

現在の日本社会では「競争が人間を最も大きく成長させるものである」と考える人が多数派を占めているという印象がありますが、一般的な予備校や塾の中にも、競争万能主義的な考えに基づいて、受験準備に対する十分なサポートを成功報酬として、生徒に競争に参加し成果を上げることを求めるような形のプログラムを採用しているところがあります。このような環境では、多くの人が周りの人の様子を気にするのと同時に、競争で敗者となり予備校や塾のサポートを細かく受けられなくなることの恐怖に煽られながら学習を進めて行くことになりますが、それは少なくとも帰国生入試や総合型選抜の受験準備を行っていく際には望ましい状況とは言えないと僕らは考えています。

例えば、これらの入試には日本語小論文試験があるのが通常で、そこでは学者がその時々に注目されている社会問題などについて書いた文章をA4用紙1、2枚分読むことが求められます。そして、採点者から高い評価を受ける答案を作成するには、筆者の主張の全体像をしっかりと把握できるような形で問題文を読解する必要がありますが、「東ロボくん」というAIを開発したことで有名になった新井紀子氏は、多くの日本人の文章読解能力がAI程度のものになってしまっているのではないかという問題を提起した著書『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』で、文章をその構造や前後の論理関係を正しく把握しながら読み進める能力を高めるには、どれだけ多くの本や文章を読んだかよりも、丁寧に一つひとつの文章を読むという機会をどれだけ確保できたかが重要なのではないかと述べています。

しかし、競争の中で精神的に煽られた状態になっている人は、例えば目の前にあるテキストを読むことに意識を集中できない、もしくは自分を安心させたくてより多くのものに短い時間でふれようとして一つひとつの課題に対する取り組みが疎かなものになってしまうといった状態になることが多く、結果的に文章の全体像を把握するために必要なものを身に付けることが難しくなってしまいます。TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の対策でも同じことが言えるため、SOLの教室では競争で生徒を学習に駆り立てるのではなく、彼ら/彼女らの精神状態を安定させるために様々なことを行っているのです。

現在の教室の様子を写真で確認したい人は、SOLのFacebookやInstagramのページを定期的に更新していますので、そちらを見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

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