新年のご挨拶(3) ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 274―

(2024年1月13日 15:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、子どもの問題解決に関わる論者が述べている通り、日本の若者の間で自己肯定感の低い人が増えている背景に周りにいる大人が彼ら/彼女らに対して自分の「武勇伝」を聞かせるようになったという現象があるのだとすれば、何がそのような変化を生じさせたのかということを戦後の日本社会の移り変わりという観点から考えてみました。僕らを話がしやすい「近所のオジサン」みたいだと評価する生徒や保護者がこれまで多くいましたが、それは今風の表現で言えば「イキらない」大人だと考えることができます。2024年も(「イキる」材料もないですし)そのままでいることが目標の一つです。

さて、僕がここ15年間生徒の様子を見ていて、彼ら/彼女らの思考や行動に大きな影響を与えたと考えるものの一つがスマートフォンです。日本ではある時点からインターネットをPCではなくスマートフォンを通じて利用する人が多数派になったようですが、その頃から若い人の間での「ネット依存」が問題視されるようになりました。この点に関する厚生労働省の調査によれば、2012年に推計で51万人の中高生が「ネット依存」とされていたのが、2018年には93万人となり、7人に1人の割合になっているとのことです。また、それに合わせて全国で「ネット依存」の治療を行っている病院やクリニックも2016年に28だったものが2020年には89となり、一つひとつの医療機関での患者数も若い人を中心に増加傾向にあるとされています。

この教室でもスマートフォンを(他の活動が圧迫されるほど)長い時間利用していたり、手元にないと不安を感じてしまったりする人が年々多くなってきており、中には自分を適切にコントロールできないことに大きな悩みを抱えている人もいます。これはあくまで印象の域を超えない話ではありますが、スマートフォンに依存している人を分類すると、それを他人とのコミュケーションのために使っている(会話のための材料を集めたり、SNSで友人や知り合いと連絡を取っていたりということです)タイプと、半ば現実逃避的にスマートフォンで利用できるゲームなどの世界に「埋没」しているタイプが両極におり、その間に、例えばゲームのアプリで他人とチャットをしながら時間を過ごすこともあるといったような形でスマートフォンを使っている人がいるように思えます。

ここ2回の記事でも述べた通り、コミュニケーション能力が年齢相応な水準にまで達しているかによって成否が分かれる帰国生入試や総合型選抜の受験準備を行う際に大きな問題に直面することになるのは「埋没型」の人(そして、中間帯にはいるものの「埋没型」寄りの人)です(周りの人と様々なトピックについてコミュニケーションを取る体験が十分に蓄積できないので当然のことだと思います)。彼ら/彼女らが現実から逃避したいと考える主な理由の一つには自己肯定感の低さがあると思われますが、やはりそのような若い人が実際に増えているのか、この教室でも「埋没型」の人をよく目にするようになりましたし、教室の共有スペースで生徒が昼食を取る時間などに周りの人とコミュニケーションを取るように促さなければならないことが多くなりました。

インターネットの世界に「埋没」してしまう人にとってそこから無理やり引き離されてしまうことには大きな苦痛も伴うはずであり、今までもその点を考慮しながら僕らなりに試行錯誤をしてきましたが、今年も昨年の後半に引き続き2週間に1回、スクールカウンセラーをしているOGが教室に来てくれる予定なので、彼ら/彼女らにコミュニケーションに対する姿勢を変えてもらうための働きかけとして適切なものがどのようなものかを彼女のアドバイスを受けながら考えていきたいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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