現在の教室の状況について(2024年2月5日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 280―

(2024年2月5日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
1月22日に掲載した記事では、2019年7月8日に「NHK教育サイト」で取り上げられた、中学受験の準備を行っている中で子供が不登校になるほど厳しく精神点に追い詰められた事例の中で、当事者である保護者が「子供は自分の分身である」と述べている際の「自分」とはすでに十分に教育を受け社会的な体験も蓄積した現在の「自分」なのではないかという話をしました。そのような観点から気になるのが、同じような状況で子どもに投げかけられることが多いと聞く「中学受験をするのは自分でした選択なので、その責任を全うすべきである」という言葉です。

確かに、現代社会は主に市場経済システムによって支えられており、自由市場で経済活動をする人には基本的に自分でなした選択について責任を取ることが求められているので、子どものうちからそれに慣れておくことが重要であるという考え方にも合理性があるように思えるかもしれません。しかし、このような構造を取っている社会においても、成人とされる年齢に達していない人が行った意思表示は、一部の例外を除いて、それだけで法律上有効になることがなく、例えば、日本では18歳未満の人がスマートフォンなどを購入する際には保護者の同意書の提出が求められますし、保護者が彼ら/彼女らがした契約を事後に取り消すことも認められています。

このような法律上の規定が存在するのは、未成年の人は社会の仕組みに関する知識が十分でなく、生活体験などの蓄積も成人に比べると圧倒的に少ないため、自分が行っている行為がどのような結果につながるのかを合理的に推測することができないためであると一般的に説明されます。14歳未満の人が犯罪となる行為をしても罰せられなかったり、20歳未満の人についても成人とは異なる形で刑事司法手続きが進んだりすることの背景にも同じ事情がありますが、それを踏まえると、中学受験をするかどうかを決定する際に、(彼ら/彼女らの短い人生で体験したことのない)受験準備を行っていく中でどのような状況に直面するかについて具体的なイメージを持つことを10歳になるかならないかの人に期待するのは酷な話であり、学習に消極的な姿勢を見せることを「自己責任」の観点から非難するのは道理に合わないということになるでしょう。

また、児童福祉施設で働いている人の間では、子どもの心身の発達を阻害するような問題が生じている家庭で実際にどのようなことが起きているかについて調査する際に、当事者の一人であるからと言って、子どもがする話に重きを置き過ぎてはいけないということが共通認識になっているようです。その理由としては、子どもが一般的に想定されるよりも保護者や周りの大人の顔色をうかがって行動することがあるとされています(上で述べたように、彼ら/彼女らには社会の仕組みなどに関する理解が不足していることに加えて、特に現代社会においては自分で生存可能性を高めることが難しい「弱い存在」であることを考えると、当然のことだと思われます)が、この点を踏まえても10歳前後にした決断に伴う責任を果たすように子供に迫ることにはあまり意味がないということになるはずですし、それによって彼ら/彼女らの精神的、身体的な健全性を長期的に損なってしまうような状況に追い込むのは不条理であると言えるかと思います。

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