北半球の高校生の受験準備に関してvol.25 ―帰国生大学入試についてvol.167―

(2013年4月24日 19:20)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、帰国生入試において大学入学資格取得のための統一試験や最終試験の成績が重要視されていると言われている大学の中に、社会的な活動に参加した経験など、高校生活の学習以外の側面を合否判断の材料に含めるところがあるということを説明しました。今までの学習成果がそのような大学に合格するのに十分なものである場合でも、このような点に注意して受験準備を進めてもらえればと思います。


さて、「帰国生大学入試について」のvol. 165では、IB Diplomaコースのようなアメリカ以外の教育制度で学んでいて、TOEFL iBTで優秀な成績を修めている人はSATの受験など様々なことに取り組むのではなく、高校での学習に専念し、大学入学資格取得のための最終試験でできるだけ高いスコアを取ることを目標にすべきということを述べました。このケースと同様に、日本の帰国生入試やAO入試を受験する予定である場合に、その準備として海外にいる間に取り組むことを絞るべき人がいます。それは英語圏の教育制度を採用している高校に通っている場合で言えば、英語運用能力が順調に伸びていない(具体的に言えば、TOEFL iBTのスコアが80を上回っていない)人です。


帰国生は英語運用能力が高いという一般的なイメージが日本ではありますが、実際には単語や表現で使えるものが日常生活の中で頻出するものに限定されていたり、英語という言語がどのような基本原理を持っているのかという点についての理解が不十分であったりということがよく見られ、その結果、年齢相応な英文を正しく読み書きできず、学校での成績や英語運用能力試験の成績が上がらないということになります。英語が学校生活での主要な言語である環境でこのような状況に陥る原因として考えられるものは人によって様々で、高校から単身留学したために英語を使用した経験を運用能力が押し上げるほどに蓄積できていないこともありますし、一方で海外での滞在年数が長いにもかかわらず、母語である日本語の定着が自律的に学習を進めることが可能になる水準に達しておらず、外国語を学ぶということに関するイメージを持つことができない段階(具体的に言えば、小学4年生から中学1、2年生までの期間です。それ以前の時期から海外に滞在したのであれば、意識的な学習がなくてもかなり自由に英語を使いこなす能力を得られるケースがあります)で日本(の教育制度)を離れてしまった上に、その後の言語学習的な取り組みが十分でなかったということもあります。


日本の大学の文系学部の実施する帰国生入試は小論文試験と外国語試験の2つで筆記試験が構成されているものが多く、首都圏の有名私立大学の受験を中心に考えるのであれば、TOEFL iBTのスコアで言えば少なくとも70点台後半を取れるぐらいの英語運用能力がないと受験校として選択できるものの幅が狭まってしまいます。また、最近、日本の書店に行くと「~日(週間)で英語を使う力が劇的に伸長する」というようなタイトルの付いた本が平積みになっているのをよく目にしますが、帰国生入試でよく出題される学問的な文章を正確に理解したり、年齢相応な単語や表現を用いないようにも問題がないようなエッセイを書いたりすることを可能にするような英語運用能力を習得することは一朝一夕で成し遂げられるようなことではありません。このため、英語運用能力が上で述べたような水準にない場合には、日本に帰国する前の段階からそれに到達するための取り組みを始める必要があるのです。


それでは、具体的にどのような取り組みをすべきかという点などについては次回以降に説明します。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


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