単身留学生が日本の高校に編入した場合の大学受験のあり方について(3)―帰国生の大学受験についてvol. 388―

(2026年4月23日 12:30)


今回のポイント

〇日本の大学の帰国生入試は、日本の高校に編入した場合でも、海外の高校などに2、3学年在籍していれば出願資格を得られるものが少なくありません。
〇海外での生活の中で精神面での健康状態などに問題を抱えることになった人にとって、高校在学中に日本に帰国することも選択肢の一つになると思われます。


こんにちは。SOLの余語です。
前回は、日本の大学の総合型選抜には、海外の教育機関に一定の期間在籍していないと出願資格を得られないものがいくつかあるものの、日本の高校を卒業している場合でもその条件さえ満たせば受験できるということを、入試要項の該当部分を引用しながら確認しました。海外の高校に2学年以上在籍していれば、日本の高校に編入しても大学受験に関する選択肢を増やすことができます。

さて、「帰国生の大学受験についてvol. 386」で、海外で生活する中で精神的な健康などに関連する大きな問題に直面した人が日本に帰国しようとした時に「日本の高校に編入してしまうと、大学受験で帰国生入試や総合型選抜の出願資格が得られなくなる」と周りの大人に言われることがあるという話をしましたが、日本の高校で高校卒業資格を得た人は首都圏の有名大学の帰国生入試を受けることができないのでしょうか

この点、例年2月に実施され、書類審査がないことが理由で比較的受験する人の多い一橋大学の外国学校出身者選抜の募集要項を見ると、「出願資格」の項で以下のような条件を確認できます。

(1)日本国籍を有する者又は日本国の永住許可を有している者で、次のア~キのいずれかに該当するもの
ア 外国において学校教育における12年の課程(日本における通常の課程による学校教育の期間を含みます。)を令和7(2025)年4月1日から令和8(2026)年3月31日までに卒業(修了)した者及び卒業(修了)見込みの者又はこれらに準ずる者で文部科学大臣の指定するもの
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(余語註; 以下、海外の高校を卒業することで得られる大学入学資格に関する条件が並んでいるので省略します)

確かに、この入試では海外の高校を卒業しないと帰国生入試の出願資格を得ることができないようです。しかし、例えば、学習院大学が実施する帰国生を対象とした入試(現在は、「総合型選抜」に分類されていますが、以前は「外国高等学校出身者及び帰国生徒」を対象とした帰国生入試に位置付けられていましたし、実態はその頃と変わっていません)の2026年度の要項の法学部と経済学部の出願資格を得る条件(文学部もほぼ変わりません)としては、外国の高校を卒業した場合に並んで以下のようなものが記載されています。

中・高等学校(第7学年以上に相当する課程)で、2学年以上継続又は通算して3学年以上海外で外国の教育課程に基づく教育を受け、以下のa又はbいずれかの条件を満たしている者
a:令和6(2024)年9月1日以降に日本国内の高等学校(在外教育施設、文部科学大臣が指定する国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)から教育活動等に係る認定を受けた教育施設を含む)に編入した者で、令和8(2026)年3月までに修了した者又は修了見込みの者

また、国際基督教大学(ICU)の「総合型選抜<4月入学>外国教育制度利用(帰国生)」(これも学習院大学のものと同じ位置付けです)のウェブページでは、出願資格について次のような説明が見られます。

以下の条件を全て満たすことが必要です。
1 外国の教育制度で中・高等学校を通じ2年以上継続して教育を受けた者。
2 国内外を問わず、当該国の学校教育における通常の12年以上の課程を2025年4月1日から2027年3月31日までに修了した者および修了見込みの者。


首都圏の有名私立大学の帰国生入試では、学習院大学やICUと同じような条件が設定されているのが通常ですので、前回の記事で見たものと同様に、日本の高校に編入した場合でも、海外の中学校や高校に2学年もしくは3学年在籍していれば受験できるものを一定数揃えられます。これを踏まえると、この記事の始めで見たような言葉は事実と合わないものと評価できるでしょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試や総合型選抜の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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