余語崇夫(よご たかお)「生徒同士が刺激を与えあう理想的な学習環境を」

余語崇夫

1976年7月12日愛知県名古屋市に生まれる。その後、横浜に移り、1989年私立駒場東邦中学入学後、1990年-1992年米国ロスアンゼルスに滞在。帰国後、私立駒場東邦高校、慶応大学法学部法律学科、早稲田大学大学院法学研究科修士課程を経て、2007年同大学院博士後期課程を単位満了退学。 1998年より帰国生大学入試のための国語指導を担当。 2000年より帰国生大学入試のための英語授業、小論文授業を担当。2008年より進路相談や通信指導を担当すると同時に、中学高校受験、大学受験に関する多くの教育相談に対応。

『「学ぶ」こととは、自分の知らない物事や価値観を理解して自分のものにすることです。それまで考えたこともないことにふれるわけですから、その世界に慣れてくるまでには当然つらいことがあると思います。また、新しい挑戦には必ず恐怖感が伴うものです。それに関しては「学び」も例外とは言えません。

このようなことを考えると、特別な能力に恵まれた人や知的好奇心が旺盛な人でないと大きな成果を上げるのが難しいように思われます。しかし、今まで僕らの講習会の参加者はそのようなタイプの人々ではなくても、「学び」に伴う壁を乗り越え、それぞれに大きな成果を上げてきました。

彼らの様子を間近で見ていて、何が彼らの原動力になっているのかを考えると、「学び」の時期に彼らが置かれていた環境が大きな要因の一つとなっているのではないかと思います。例えば、話をしたい、授業の内外で行われている議論に加わりたいと思わせるような人々が周りにいることは「学び」の大きなモチベーションになります。また、挫折しそうになった時に悔しさや悲しい気持ちを共有してくれる仲間がいるというのも重要なことでしょう。

自分の今までの学習の様子を振り返っても、その時期に自分が置かれている環境の重要性に気付かされます。僕は大学院でドイツ語の理解が必要となる研究分野を選択しましたが、英語と似通った言語であるにもかかわらず、それまでに見たことのない単語や文法事項を見て嫌気が差し、ドイツ語の学習に消極的な姿勢をとるようになりました。しかし、あるドイツ語文献の講読授業で出会った人々によって、そんな状況に変化が訪れます。彼らとの関係が深まるにつれ、授業の内外で彼らが話しているドイツ語についての議論に加わりたいという思いが強くなり、1年ぐらいで研究論文の翻訳ができるようになるほど、ドイツ語の学習に真剣に取り組むようになったのです。

このような人間関係が形成できるような環境は、個別指導の授業が行われる場ではなく、またあまりに多くの人がいる場でもないと思います。前者では人間関係が断絶されてしまいますし、後者では教師との距離がありますし、付き合う人間が選択できるので易きに流れる傾向が見られるからです。個別指導や大人数の授業では得られない、教師と生徒、そして生徒同士が刺激を与えあう理想的な学習環境をSOLでは実現したいと思います。』

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