帰国生大学受験セミナー通信vol.18 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.41―

(2012年10月10日 16:30)

こんにちは。SOLの余語です。
「SOL帰国生大学受験セミナーについて」のvol. 38では、帰国生大学受験セミナーの生徒が帰国生入試やAO入試の面接試験に向けた準備をどのような形で行うのかということを説明しました。この準備の過程は大きく分けて「面接メモの作成」と「面接練習」の2つの段階で構成されていますが、今回の記事では前者の段階において教師が指摘することが多い点についてお話ししたいと思います。


上で挙げた記事で、面接メモの作成に関して、面接試験においてよく訊かれる質問に対する答えを文章にするのではなく、そこで話そうと考えていることを箇条書きやメモ書きなどの形で書きとめておくように指導していると述べました。面接試験では、たとえば志望理由を訊くのでも、「志望理由を説明してください」という訊き方だけでなく、「なぜこの大学で学びたいのですか」、「この学部を志望した理由は何ですか」、「大学で特に何を学びたいと思っていますか」など、様々な問い方がありますし、受験生の返答に対してさらに質問が来るのが普通です。それに対し、「志望理由」として文章化したものを暗記していると、「志望理由を説明してください」という問われ方に対してはきれいに対応できますが、それ以外の問われ方に適切に答えるのは難しいですし、自分の答えた内容に重ねて質問された場合にも対応が難しくなります。


受験生の多くはこれまでに大学の教員と話した経験がありませんし、自分の考えを整理された形で伝えられた方がよい印象を与えられると考えるのも無理がないところだと思います。しかし、文章化した答えを一字一句正確に覚えようとすることは試験会場でその一部を忘れてしまった場合に受験生が余計な緊張感を持ってしまうことにつながりますし、相手にコミュニケーションを取ることに集中していない印象を与えてしまったり、予期していなかった質問をされた時にそれに対応できなくなったりする可能性があります。そのため、SOLでは上のように面接試験の準備を行うべきと指導しているのです。


ただし、面接で答える内容を箇条書きなどにして練習に臨むと、そこで考えた内容を取り留めのない形で話してしまうというケースが見られます。これでは、自分の伝えたい事柄の中心的なポイントが聞き手にとって不明瞭なものになってしまい、興味深いエピソードなどを盛り込んだ話ができたとしても、面接官の関心を引くことができないという結果に至るなど、コミュニケーション行為自体が不活発なものに終わることが考えられます。こうなってしまうと面接試験で低い評価を受けるということもあるでしょう。


このような問題が生じるのを避けるためには、発言をする際に全体の内容をまとめた一文(英語のエッセイを書く練習をする際にトピックセンテンスと呼ばれるものです)から始めるのがよいと、面接練習などの機会に僕らは生徒に伝えています。トピックセンテンスを話の冒頭に入れることで、聞き手はその全体像を把握することができ、話の筋がある程度混乱したものであっても、注意を切らさずに受験生が話すことを理解することに努めるようになります。常にこのような一文を入れた形で発言できるようになった段階で面接練習が終了したと考えても問題ないと思います。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


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