南半球の高校に通う人の大学受験準備に関してvol.2 ―帰国生大学入試についてvol.131―

(2012年11月20日 16:05)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、昨年のこの時期に大学受験情報ブログに掲載した、オーストラリアやニュージーランドの高校に単身留学している人が日本の大学の受験準備をどのように進めるべきかということに関する記事を紹介しました。その最後に、南半球の国に3年以上滞在している人でも、日本の大学の帰国生入試は高校の卒業時期が5・6月である北半球の国々の教育制度に合わせた形で要項が定められていることなどを考えると、卒業の前年の12月から始まる長期休暇期間を受験準備に充てるべきと述べたかと思います。


このように考える背景には、北半球の教育制度を採用する高校を卒業した人が6月から入試のある9月~11月までの間に集中的に小論文試験に向けた準備を行えるのに対し、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカなどの高校を卒業する人が同じ時期に学習のために確保できる期間が6月の終わりから7月の始めの2、3週間や入試直前の1、2週間しかないということがあります。そして、英語圏の教育制度の下で運営されている教育機関に在籍している年数が長いにもかかわらず、TOEFL iBTやTOEICといった英語運用能力試験のスコアがなかなか上がらない人にとっては、最終学年に入る前の2か月間での学習がより大きな意味を持つものとなります。


「帰国生大学入試について」のvol. 96からvol. 129では、今年度に行われる帰国生入試やAO入試の概要をお知らせしてきましたが、それを見てもらえばわかる通り、できる限り英語運用能力試験のスコアや級を上げておくことは、受験ができる大学の数を増やすことができるという点で重要なことです。また、書類審査がある大学ではこの面での学習成果が合否に直接関係してくる場合がありますし、筆記試験には英語試験が含まれていることが一般的であり、立教大学経営学部のようにその得点を主な判断材料として合格者を選考している大学もあることを考えると、TOEFL iBTなどの受験やそれに向けた学習を通じて英語運用能力を高めておくことが必要不可欠だと言えます。


この点、帰国生や海外生の中には、繰り返し英語運用能力試験を受験しても、TOEFL iBTで70点台、TOEICで700点台からなかなかスコアが伸びないという人がいますし、これは単身留学生のように海外での滞在期間が3年以内というケースに特有のものではありません。特に、海外での滞在期間が長くて伸び悩んでいる場合には、これまで英語を使用してきた経験の蓄積が基礎的な文法事項や語彙・イディオムの意味などに対する理解に重大な混乱を生じさせていることが考えられますし、そもそも英語という日本語とは文法構造が大きく異なる言語の習得を主に他人との会話によって行うことに困難が伴っても無理はないと思います。このような問題に直面している人はなるべく早く、そしてなるべく長い期間受験準備を行うことで、自分が英語の学習において抱えている問題とは何かを確認し、それを克服することに努めるようにした方がよいでしょう。


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