北半球の高校に通う人の英語学習について ―帰国生大学入試についてvol.136―

(2012年12月7日 15:40)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」では、前回までのいくつかの記事で、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカといった南半球の国々にある高校に通う人が来年度の帰国生入試やAO入試の受験を考えているのであれば、この12月からの2か月間での学習が重要になるということを述べました。このようなケースに比べて、北半球の国の教育制度を採用し、スケジュール的にも本国と同様に運営されている高校を卒業する人は、5・6月に高校を卒業した後に3か月程度受験準備に集中できる期間があるという点で恵まれていますが、中には今の時期から受験を意識した学習を始めた方がよい人もいます。


例えば、海外で英語を使用する環境にいるのに英語運用能力が向上しない(もしくは、向上していても十分なものとは言えない)という場合がそれに当たります(繰り返し同じようなことを書いていますが、それだけ大切なことですのでご容赦ください)。このような問題に直面している人については、単身留学生で海外滞在歴が短いということもあれば、海外滞在歴が長いものの自分が接しているものが外国語であり、その運用能力を伸ばすためには母語とは異なる形で学習すべきであるということを意識していないなど、問題が生じる理由が人によって異なります。しかし、個々人が抱える問題状況に合わせた形で何らかの取り組みをすることが必要であるという点においては共通しています。


日本の大学の帰国生入試やAO入試は多くの場合、英語試験の受験が求められていますし(ドイツ語やフランス語といったその他の外国語試験を用意しているところもあります)、筆記試験が小論文試験のみであっても、TOEFLやTOEICのスコアが英語試験の結果の代わりとして用いられるものが増加しています。また、そもそもTOEFLやTOEICなどの英語運用能力試験のスコアが一定以上に達していなければ出願資格が認められない制度があることは、「帰国生大学入試について」のこれまでの記事でお知らせしてきた通りですし、東京大学や慶應義塾大学のように、SATやIBなどの大学入学資格取得のための統一試験の結果が合否に影響を及ぼす大学もそれほど多くはないものの、実際に存在します。帰国生入試やAO入試の受験において、英語運用能力をできるだけ高めておく重要性は様々な面で高いと言えるのです。


この点、最近では英語運用能力を短期間で劇的に向上させることができると宣伝文句の打たれた学習法が注目を集めることがありますが、僕はこれに科学的な裏付けがあるのかという疑問を感じます。学問的な文章を読むのに必要な語彙や表現を習得する過程において、ある時期に学習したものをその直後に文章を読解する中で見かけることは稀であるということは外国語の学習をした人なら誰でも経験的に納得できるものだと思いますし、また語彙や表現が意見や情報を発信する中で自在に使いこなせるようになる程度に定着するには長い期間がかかるということも同じであるはずです。この他にも、高い英語運用能力を自分のものにするために身に付けなければならないものは多くあるということを考えると、英語学習は長期的な視野に立って行われるべきものであり、何らかの問題を克服できない場合は、できるだけ早く学習をスタートさせるべきということになるのだと思います。


なお、SOLでは、高校の休暇期間中に個別指導を行なっており、これを受講生一人一人がこれからどのように英語学習に取り組むべきかを確認してもらう機会にしてもらうことが可能です。また、英語運用能力がなかなか向上しない人を対象とした通信指導も始めました。興味のある方は以下のフォームよりご連絡ください。


【お問い合わせフォーム】
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