帰国生入試の受験準備を行うのに最適な環境とは?vol.20 ―帰国生大学入試についてvol.89―

(2012年6月12日 18:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、帰国生入試やAO入試の受験に向けた準備のうち、受験する大学や学部・学科を決定する場面で、小論文の教師が果たすべき役割について注目する形で、「人数の多い環境」が受験準備を行う場として適当なものであるかということを検討しました。自分の進路の決定は大学に在籍する4年間を含めた将来の生活に大きな影響を及ぼすものですが、今回は、これとは違った意味で多くの人に不安感を与える面接試験の準備を取り上げたいと思います。


帰国生の中には、自分より年配の大学教員と話すことになる面接試験の現場において、特別な準備をしなくても、大学で学びたいことや問いかけられた質問に対する考えを物怖じせず理路整然と伝えることができる人がいます。これは、海外の現地校や国際校では、授業の中で時事問題や学問的な事柄についての自分の考えを表明する機会が日本の高校よりも多く確保されているからだと考えられます。また、僕の個人的な在外経験を振り返ってみると、家族と一緒に海外生活を送っている人は保護者が勤務する企業内などで家族ぐるみの付き合いがあり、大人と会話する機会に恵まれているような印象があります。しかし、以前に指導してきた生徒のことを考えると、こうした条件を十分に満たしてきた人ばかりではないと言えます。


大学入試の面接試験は、学問研究を職業としている人と、彼/彼女が専門としている分野に関係するトピックに関して問答が行われる可能性があるものです。それは多くの受験生にとって初めて体験するものであるため、塾や予備校で練習をしている段階でも不安を感じたり、緊張したりすることから、内容的に噛み合った会話ができない人がいても不思議ではありません。これに加えて、現在、就職時の面接試験を、志願者がいかなる状況でも能力を発揮できるかを試すために「圧迫面接」という形で実施する日本企業が増えているという記事が新聞などに掲載されていますが、一部の大学や学部・学科でも、大学の教員が受験生に強い緊張感を抱かせるような態度で面接試験に臨む場合があるようです。このような話を先輩などから聞いて、恐怖心に満ちた表情を見せる人もいます。


緊張や不安感から実力を発揮しにくい状況に直面した時に、それを克服する方法は、以前の記事で述べたよい小論文を書くために必要な能力と同様に、文字情報に接しただけでは習得することが難しく、経験の蓄積が大きな意味を持つものの一つです。例えば、面接試験対策について述べてある書籍には、「試験本番には自分の気持ちを落ち着けて臨むことが重要である」というようなことがよく書かれていますが、切迫した場面で自分の精神状態が安定したものになるためには何をすればよいのかということは、実際にこのような局面に自分の身を置いた経験がある人にとってのみイメージすることが可能なものです(僕には入試などの重要な試験に臨む時、最初の10分で極度に緊張したり、適切な解答は何かということについて際限なく悩んだりすると、決まって残りの時間は試験に集中できるという傾向があり、学生生活の終盤にはこれを利用して自分を落ち着けることができるようになっていましたが、それまでにいくつも試験を受けた経験がなければ、この技術を体得できなかったと思います)。面接試験において自分を落ち着けるための術に関する、経験の蓄積の重要性を考えれば、できるだけ実際の試験に近い雰囲気で練習を積み重ねることが可能な環境を整えることが大切であるということになるでしょう。


この点、「人数の多い環境」では、担当する教師が少ないためか、面接練習を満足いくまで行うことができなかった(もしくは、学生アルバイトなどが模擬試験官となるため、入試本番のような切迫した状況を再現することができなかった)という話を耳にすることがあります。もし、これが事実であるとすれば、面接指導を行うことのできる教師一人当たり何人の生徒が在籍しているのかということをしっかりと確認した上で、受験準備を行う場を選択すべきということになるはずです。


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