帰国生入試の受験準備を行うのに最適な環境とは?vol.22 ―帰国生大学入試についてvol.91―

(2012年6月19日 19:10)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」のvol. 88からvol. 90では、進路選択や面接試験の準備といった、帰国生入試やAO入試を受験する際に行う準備のうち、筆記試験対策以外のものに注目し、受験準備を行う場として最適なのはどのような環境かということを検討しました。これらはそれぞれ、小論文試験と並んで帰国生入試やAO入試に特有なものと言うことができますが、今回の記事では同様に一般入試では広く見られない志望理由書の作成を取り上げたいと思います。


前回の記事で、面接試験で答えた内容が合否の決定に大きな影響を持っている大学はそれ程多くないということを述べました。これは志望理由書に関しても同じで、受験生に試験当日の会場の様子などを聞くと、面接試験の段階で初めて提出した書類に目を通したような印象を与える試験官がいたという話を耳にすることがあります。このような傾向を踏まえると、志望理由書の作成は受験生に全て任せてしまってもよいと考えて、教師が十分にサポートをできる体制を整えないという塾や予備校があってもおかしくありません。


しかし、受験生の合否を書類審査で決める上智大学の国際教養学部やICUの9月入学者を対象とした帰国生入試では、学校成績や統一試験などの結果とともに、受験生が提出する英語エッセイの出来は大きな意味を持つものですし、慶應義塾大学法学部のFIT入試のように筆記試験に進める者を志望理由や活動実績などを述べた書類の内容によって絞り込むというところもあります。また、上智大学の大半の学科や埼玉大学、横浜市立大学の帰国生入試といった面接試験が重視されるものでは、試験官が受験生に質問する事柄を考える際の資料として志望理由書を活用することを考えると、その内容をできるだけ充実させておくことが重要な案件になるはずです。


一般的に、志望理由書は自分が出願する学部・学科で学びたいことやそのような希望を持つに至った過程、自分の学問的な適性を示すものを読み手となる大学の教員に伝えることを目的とするもので、受験生が高校生活などで学んだり経験したりしたことが文章の内容を考える上での材料として用いられることになります。志望理由書をよりよいものにするためには、その材料の中で、自分の考えていることを明確に強い印象を与える形で伝えることに適したものとそうでないものを選別し、文章全体の構成についても検討する必要があります。これは、社会問題や学問的な事項に関するものを扱うのか、特定の大学や学部・学科を志望する理由を扱うのかという題材の点で違いがありますが、小論文を作り上げていく過程と重なるところが大きくあります。


また、以前から述べている通り、大学受験生の多くは専門的に一つの学問を研究したという経験を持っておらず、自分の有している経験・見聞の中で学問的適性をアピールすることにつながるのはどれかについてもさほど理解できていません。この点、小論文の教師は様々な学問に対する理解を深めていくことなしには教材作成をしたり、答案を添削したりすることが難しいものですし、日々生徒を指導する経験を蓄積できる訳ですから、学問的適性はどのようなものかを把握するのに最もよい立場にいると言えます。


志望理由書の作成において必要とされることを考えると、この場面でも小論文の教師が受験生のサポートをできるような状況になっていることが理想的です。受験に向けた準備をする環境を選択しようとしている人は、特に上で挙げたような大学が志望校に入っているなら、これまでに述べた進路決定や面接試験対策における指導だけではなく、志望理由書の作成という段階で小論文の教師がどのような形で関与できるのかを確認するようにしてもらえればと思います。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



トップへ戻る