2013年度4月入学者を対象とした入試の出願条件などについてvol.3 ―帰国生大学入試についてvol.96―

(2012年7月11日 18:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、早稲田大学の帰国生入試の要項についてお知らせしました。この大学には全学部で実施される帰国生入試の他にも、政治経済学部や国際教養学部のAO入試という帰国生が出願することの多い入試がありますが、それらの出願期間はまだ先ですので、今回は慶應義塾大学の帰国生入試の文系学部のものの概要を取り上げたいと思います。


慶應義塾大学の帰国生入試における全学部共通の出願条件は以下の通りです。


(1)海外にある外国の教育制度を採用した高校に2学年、継続して在籍し卒業した(もしくは、卒業見込みである)こと
(2)高校の採用する教育制度における大学入学資格を有していること
(3)高校の採用する教育制度における大学入学資格取得のための統一試験の結果を提出できること
(4)以前に、この入試制度を利用して出願したことがないこと



この共通した出願条件の(1)に関しては、経済学部や法学部、商学部で例外規定が設けられており、日本の高校に編入した人でも、法学部は中高で通算4学年以上、商学部は高校に2学年以上というように、外国の中等教育機関の在籍期間が一定の年数を超えていれば(経済学部は法学部と商学部の条件を合わせたものになっています)、出願条件が認められます。ただし、海外の教育制度における大学入学資格取得のための統一試験の成績が重視されますので、合格者はそれほど多くないという点に注意してください。


また、これに加えて、法学部では2011年9月1日以降に高校を卒業していることが出願資格の一つになっていますし、文学部や商学部ではIBを含む英語による教育制度の高校に通った人にはTOEFL iBTのスコアの提出を求めています。統一試験に関しても、アメリカの現地校を卒業した場合、ACTのスコアをもって共通出願条件(3)を満たすことが認められていない一方で、TOEFL iBTのスコアの提出が全学部で求められているなど、個別的な条件がありますので、以下にリンクを貼る出願要項の7、8、12~17ページでそれらを確認するようにしてください。


【慶應義塾大学帰国生入試出願要項】
https://www.admissions.keio.ac.jp/exam/l6j2qm00000060yr-att/l6j2qm000000619i.pdf


文系学部においては、各種、統一試験のスコアと面接試験の出来をもって合否判定が行われます(法学部ではこれに加えて小論文試験があります。なお、その他の学部にも参考小論文を書く時間が設定されていますが、参考小論文の答案は面接試験の資料になるだけで、点数化されないため、合否に直接的な影響はありません)。このうち、統一試験のスコアが大切であることは以前から帰国生入試に関する様々な情報媒体で指摘されていることですが、近年、各学部で学ぶための適性を持つ受験生を入学させる狙いがあるためか、面接試験や志望理由書の重要性が増してきているようです。このような傾向を考えると、新書や新聞などを読んで、自分が受験する学部・学科で研究されている学問に対する理解を深める必要がありますし、滞在地で体験した出来事で関係のありそうなものをまとめておいた方がいいと言えると思います。


帰国生入試の出願手続きは、Webエントリーと提出を求められている書類を郵送する手続きの2段階で構成されています。手続きの受付期間は、前者が7月24日の10:00から8月3日の15:00まで、後者が7月31日から8月3日までとなっています。書類によっては大学に直送することが求められていたり、通っていた高校の校長や教師からの推薦状のように大学所定の用紙で作成しなければならなかったりすることに注意してください。


それでは、今回の記事の内容についてご質問などがある場合には、以下のフォームよりご連絡ください。


【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



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