北半球の高校生の受験準備に関してvol.39 ―帰国生大学入試についてvol.181―

(2013年6月19日 16:20)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、ドイツ語やフランス語、スペイン語、中国語など、英語以外の言語を主に使用する教育制度を採用する高校で学んでいる人が日本の大学の帰国生入試やAO入試を受験する場合、首都圏の難関大学でも外国語試験を英語以外のもので受験できるところがあるので、高校の授業が実施される言語の運用能力を上げる取り組みに注力すべきということを述べました。予備校や塾では、英語以外の外国語の学習をサポートする体制が整っていないのが一般的ですので、少なくとも本格的な受験準備を始める前までに自学自習ができるくらいの運用能力を学習目標にしてもらえればと思います。


さて、英語以外の外国語を用いて帰国生入試やAO入試に臨む場合、その運用能力を証明するテストを受験したり資格を取得したりすることが受験校として選択できるものの幅を広げることにつながります。例えば、海外生活の中でドイツ語を学んでドイツ語技能検定(独検)の3級が取得できていれば、中央大学の経済学部(自己推薦・海外帰国生等入試)や商学部(ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語特別入試)、立教大学の異文化コミュニケーション学部(自由選抜入試)で出願資格を得ることができますし、2級を持っている人は上智大学の多くの学部で帰国生入試を受験することが可能になります。


また、日本の大学のAO入試には高校在学中にした活動に関する報告書の提出を求めるものがあります(例えば、慶應義塾大学法学部のFIT入試や早稲田大学政治経済学部のAO方式による統合選抜入試など)。外国語運用能力の向上は報告書の内容とするには適当なものですし、多くの人が学んでいる英語とは別言語を習得できていることは強いアピール力があるものと判断されることが多くあります(TOEFL iBTやTOEICのスコアと合わせて提出できるとよりよいです)。このようなことを考えると、受験生活を充実したものにすることを目標にするのであれば、自分が学んだ言語の運用能力を測るテストを受験し、一定以上のスコアや級を目指すべきです(どのようなテストを受けるべきなのかについては上智大学や中央大学の入試要項を確認してください)。


なお、ドイツ語やフランス語に比べると、スペイン語や中国語で外国語試験を受験できるところは多くありませんので、これらの言語を学んでいる人にとっては今回述べた点はより重要なものとなります(中国語を用いた受験についてはこちらも参照してください)。英語以外の外国語の運用能力試験は受験機会も少ないですから、そのスケジュールを確認し計画的に学習を進めるようにしましょう。


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