SOLお勧めの電子辞書について(2016年3月版)vol. 1 ―英語学習の勧めvol.146―

(2016年3月11日 16:00)

こんにちは。SOLの余語です。
辞書は語学学習において、ある単語や表現の意味や用法を確認するという点で重要な役割を果たすということは当たり前のことのように思われます。しかし、これまでの生徒が持っているものや、それを使っている様子を見る限り、その重要性が十分に認識されていないという印象を持ってしまうことが少なくありません。

このような問題意識から、このブログでは以前に「電子辞書の使い方」や「SOLでお勧めしている電子辞書」に関する記事を掲載しました(例えば、 「英語学習の勧めvol. 13」)。その後、電子辞書の業界で大きな動きがあり(僕らにしてみると、強い衝撃を受けるものでした)、以前の記事の内容にアップデートが必要な状況になっていますが、今回はその前に英語の学習に使う辞書として、書籍になっている辞書と電子辞書のいずれが望ましいのかということを考えてみたいと思います。

この2つの種類の辞書について、SOLに来る生徒の圧倒的大多数は電子辞書を持っている一方、書籍版のもので学習している人がまれにいますし、英語学習に関する情報をインターネットで集めようとすると、後者のものに対するこだわりを見せる主張が多く見られます。それには、書籍の形でしか発行されていない優秀な辞書が英和辞典や英英辞典にあるということも関係しているようですが、より重要性の高い根拠は、書籍版のものの方が一見しただけで、単語の意味だけでなく、それを使ったイディオムや例文にふれることができ、その意味や用法の全体像を容易に把握できるということにあるようです。

このような指摘は、インターネットのニュースサイトに対する新聞の優位性に関する議論(前者は閲覧者が重要だと思っているものしか見ないことが可能であるのに対し、後者はそれ以外のものも視界に入ってきて、関心の領域が広がることにつながります)に似ているように思われます。そして、確かに、生徒が電子辞書を使っているのを見ていると、単語の意味を解説してあるページを表示しただけで調べたことにしてしまう人や、その前のプレヴュー画面(単語のリストと意味を解説しているページが同時に表示されている状態です)見ることで終わりにしてしまい、単語の用法だけでなく意味に対する理解も不十分になってしまっている人が多くいることがわかります。

一方で、電子辞書は正しい機種のものであれば、書籍版を入手しようとすると一冊でもかなり高価でかさばってしまうものが多く入っていますし、それらは収録されている単語やイディオム、説明の中で重点が置かれているもの、使用される目的に違いがあり、これらをうまく組み合わせて使えば、ある単語について書籍版の辞書一冊にふれるよりも深い理解を得ることができます。また、電子辞書で意味を表示するページを見るだけで終わってしまうという人も、多くの場合、イディオムや例文を表示するための操作を行うことが面倒なのでそうしているわけでなく、そのやり方を知らないということだけのようです。それは、こちらで電子辞書の操作の仕方を教えると、「こんなことまで調べることができたのか!!」と驚いて、その後はしっかりと時間をかけて単語の意味・用法を調べるようになるケースが多いことが証明していると思います。

以上のことを考えると、コンテンツの観点から適当なものを持っており、その正しい操作の仕方を理解している場合には、電子辞書の方が学習のための道具としては優れているようです。SOLでは、授業の内外で電子辞書の使い方を教える時間を設けることが通常ですが、その内容の一部を「英語学習の勧めvol. 10」から「vol. 12」としてこのブログに掲載してありますので、関心のある人にはそちらを参照してもらえればと思います。

それでは、今回の内容について、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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