TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(11) ―英語学習の勧めvol. 180―

(2020年12月16日 12:05)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、TOEFL iBTやIELTSのReadingで出題される文章を速く正確に読んでいくには文法に対する理解を身につけておくことが必要であることを、IELTS対策のための教材からいくつか文を引用することによって確認してみることを提案しました。現在、自分の文法に関する理解がどの程度必要なものをカバーできており、これから何をすべきかということを考えたい人は、前回の例文を日本語訳したものをinfo@schoolofliteracy.comまで送ってもらえればと思います。

さて、前回の記事にあったような文を動詞の用法に関するルールを十分に理解していない状態で読もうとすると、例えば文中から自分が意味を理解できる単語や表現を取り出した上で、それらの間の関係を自分にとって文脈的に自然だと感じられるか、トピックに関して持っている知識に合っているかといった観点から決定するということになり、その判断がしっかりできないと文の内容を誤った形で理解することにつながります。一つ例を挙げてみると、

Classical music composed by a computer program has had audiences enraptured, and even tricked them into believing a human was behind the score.

という文で、composedが受け身の形でclassical musicの性質を詳しく説明するために用いられていたり、haveという動詞が「have+名詞+受け身の形になった動詞」という文型で「名詞を受け身になった動詞が表す状態にする」という意味を表すようになったりすることや、andやbut、if、because、when、that、who、whichなどの文と文をカンマなどでつなげる語(「接続詞」や「関係詞」と呼ばれる種類の語です)がない限り一つの文には述語が一つしかないということが理解できていない、もしくは「使える知識」として定着していない場合に、文脈に関する判断などを誤ると、以下のような内容だと捉えてしまうことがあります(これまでの生徒の中にも実際にこのような読み方をした人がいました)。

クラシック音楽の作品はコンピューター・プログラムで作曲し、聴く人がおり、うっとりし、彼らをだまし、人間が楽譜の後ろにいることを信じていた。

このような理解をしてしまうのは日本語運用能力にも向上の余地がある人によく見られることですが、文法事項の理解が十分ではない、日本の学校や海外での生活の中で十分なことを学べていない場合には、次に示す正しい日本語訳と少なくとも部分的にズレた解釈をしてしまうということがあるはずです。

あるコンピューター・プログラムによって作曲されたクラシック音楽の作品は聞いている人をうっとりとした気分にした上に、人間が作曲したのだと彼らを信じこませてしまうことさえあった。

TOEFL iBTやIELTSのReadingでは上の文よりも長く、構造も複雑なものが出題されることがあります。そのような形の英語で書かれた文章を速く正確に読み込んでいくために(自分が十分に理解できていないものに限定することがあったとしても)文法の学習をしなければならないという人は英語圏の学校で学んでいる場合でも少なくないはずであると、これまで生徒を指導した経験から僕らは考えています。

それでは、TOEFL iBTやIELTS、TOEICなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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