8月2日から8月6日までの個別指導などについて―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 167―

(2021年8月2日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、高校から単身留学などの形で海外に渡航することになった人の中には、年齢相応な水準まで運用能力が高まっていない言語を用いて、中学校を卒業するまでにふれていないものを学ぶことで大きな負荷がかかったと感じている人が少なくないと述べました。これが大学受験に向けた学習に積極的に取り組むことができないという問題につながるケースも見られますが、そのような心理的な状態に至った過程を生徒が僕らに打ち明けてくれるのは個人的にコミュニケーションを取っている時間です。

さて、最近、生徒から話を聞いていると、自分の子供がどのような大学や学部・学科に進学すべきか、もしくはどのような形でキャリアを形成していくのが望ましいのかといったことについて細かなところまで考えようとする大人が以前に比べて増えたように思います(僕が彼らと同じ年代であった頃は「この大学・学部はダメ」と親に言われたという話くらいしか聞くことがなかった印象があります)。実際に、このような人々が求めるものに応えるためなのか、社会で広く流通している経済誌などで「本当に強い大学」、「有名企業の就職に強い大学ランキング」といった特集が頻繁に組まれ、中にはそのような大学に入るためにはどのような中学校・高校を受験すべきかというテーマを取り上げるものまであるようです。

これらの雑誌を読んでいると、子供をよい大学に行かせることが親にとって条件の良い投資と同じ扱われ方をされていることに驚きますし(子供が稼いだ金銭は彼ら自身の生活費になるはずです)、そこに書かれている一つ一つの大学に関する説明がOBOGから提供される情報と大きく異なることもあります。現在の日本社会は以前と比べ経済的な力が衰退しており、若者の雇用を含めたその先行きに関しても不安な情報ばかりが目に付く状況ですので、大学や学部・学科に関する詳細な情報を入手し子供がどのようなキャリアを形成していくべきなのかを考えたいという人の気持ちは理解できます。

しかし、そこで出た結論を絶対視し、受験準備に取り組もうとする人々の希望に優先させたり、それがどのようなものかを考える機会を彼もしくは彼女に与えなかったりするということになってしまうと、学習意欲を引き出すという観点から見てネガティブな効果を持つことが考えられます。

18、9歳の人は様々なことを自分なりに考えたいという意欲が強まってくるのが通常ですし、例えば単身で高校から海外に留学し自力で厳しい状況を乗り越えてきたという自負がある場合には、自立に対する欲求はより強いものになります。ここで周りの大人が上で述べたような態度を取ってしまうと、強い反発を招くことがあり、それが原因で学ぶことに対しても積極的に臨むことができないと考えるようになったケースがこれまでにもありました(保護者と毎晩激しい議論を繰り広げることによって受験準備をするための気力が残っていないと嘆いている生徒もいました)。

一方で、大人が先回りをして将来の方向性を示してくれることに慣れてしまい、自分が直面している問題について考える姿勢が身に付いていないという人もこのところ増えている印象があります。帰国生入試やAO入試では志望理由書の提出が求められ、その内容を基に面接試験が行われますが、ここである大学や学部・学科で学びたいと考えている理由を自分で十分に検討してきたことを試験官に伝えられないことはマイナスの評価につながりますし、様々な社会問題に関する自分の主張を提示しなければならない小論文試験に向けた準備も主体的に思考する姿勢がないと順調に進みません。

周りの大人がよかれと思ってしたことが受験生の学習意欲を引き出すことにつながらないということは、僕らが生徒と個人的なコミュニケーションを取ることで確認できたことですし、その中でどのような対策を取るべきかということを彼らと一緒に考えることもできます。この点でも、生徒と話をする時間は僕らにとって重要な意味を持つものなのです。

今週のグループ指導についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの感染者が急増しており、重症患者かそのような状態になる可能性がある人しか入院ができないようにする政府の決定がなされるような状況になってしまいました。そのため、公共交通機関を使って教室に来る場合には、ターミナル駅を使わないのであれば対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにし、個別指導や個別面談も同じ方針で実施します。よろしくお願いいたします。

【個別面談お申込みフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form2.html

それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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